
また1つ、かつて大相撲界を沸かせた「名物部屋」が閉鎖される。
三月場所直前の3月12日、相撲協会は理事会を開き、東関部屋の4月1日付けでの閉鎖を承認したのだ。
「東関部屋は、ハワイ出身の人気力士だった関脇・高見山の東関親方が昭和61年2月に興した部屋。外国出身力士が作った相撲部屋ということで注目を集めました」(担当記者)
この東関親方が定年後、先代・東関(元幕内・潮丸)が部屋を継承したが、令和元年に血管肉腫のために41歳の若さで急逝。後継者がいなくなったため、一時的に弟子たちは八角部屋預かりとなっていた。
「昨年1月に、独特の気合い入れパフォーマンスで人気のあった元小結・高見盛が暫定的に継承していましたが、もともと1年という期限付きの継承でしたからね。師匠というのは精神的な負担が大きく、これ以上は務められないとギブアップしたのです」(同・記者)
一門内で後継者を探し、一時は高砂部屋の後継者争いに敗れた若松親方(元前頭・朝乃若)らの名前が挙がったが、調整がうまくいかず、閉鎖やむなしとなった。
コロナ禍でタニマチからの差し入れもなく…
「東関部屋は平成の前半、若貴と覇を争った横綱・曙や潮丸らも輩出し、大いに賑わった部屋。その若貴がいた二子山部屋(貴乃花部屋に改称後閉鎖)に次いで東関部屋も消滅することに、寂しさを感じるファンも多いはず」(協会関係者)
現在、相撲部屋は44部屋。その主な財源は、相撲協会から支給される力士養成費(幕下以下で1カ月7万円)や相撲部屋維持費(1場所で11万5000円)など、年間で1人約180万円だ。
「これで衣食住すべてを賄わなければいけない。力士は食べますからね。どこかの部屋が、古米どころか古古米を食わすと問題になりましたが、力士数が一桁で関取もいない部屋は、どこも汲々としていますよ。今はコロナ禍で、タニマチからの差し入れもほとんどありませんから」(同・関係者)
ある親方は「部屋経営が苦しいのはどこだって同じ。次に閉鎖されるのはウチかもしれないよ」と嘆息する。抜本的な構造改革が急務だ。
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