ばんえい競馬では、年度末を飾る2つのビッグレースが開催される。まずは3月20日、『第52回イレネー記念』(BG1)だ。馬産地十勝の礎を築いた歴史的種牡馬「イレネー」に由来。デビュー初年度の明け3歳最強馬を決める競走として、ばんえい最高峰のBG1に格付けされている。
過去の優勝馬には、2019年2月に20連勝を達成したホウショウマサル、15年に無敗でこのレースを勝利し、現在11連勝中のセンゴクエースなどがおり、さらにダイヤテンリュウ、カゲイサムなど、イレネーと同じく種牡馬として後世に名を残す名馬を輩出している。
若馬の登竜門として注目され、未来へと続く新鋭たちの頂上決戦。ニューヒーロー、ニューヒロインの誕生に期待したい。
最大の目標であり名誉でもある「ばんえい記念」
さて、続く21日は、ばんえい最強馬を決める一戦『第53回ばんえい記念』(BG1)が開催される。最も格式が高いBG1の中でも最高峰に位置するレースとも言え、ばんえい重量は1000キロ(6歳以上1000キロ、4・5歳990キロ、牝馬は20キロ減、4歳騙馬は10キロ減)で、ばんえい競馬における最高重量で行われる。
優勝タイムも3分を切ることはめったになく、多くの場合は4分以上かかる。最高重量が1000キロとなった1977年以降、優勝タイムが3分を切ったのは4回しかなく、5分を越えたのが3回。スタートから最下位の馬がゴールするまでの所要時間も、大半が5分以上かかっており、近年は10分前後かかることもある。
通常の競走なら、どの馬も第一障害は難なく通過するが、ばんえい記念では第一障害すら通過できない馬もおり、重賞の勝ち馬であっても完走することが難しい過酷なレースでもある。
特殊な競走条件で行われることから、03年から06年まで4連覇したスーパーペガサスや07年から09年まで3連覇したトモエパワーなど、同一馬による複数回の優勝が目立つ。昨年も17年・18年の覇者オレノココロが、19年2着の雪辱を果たし優勝を決めた。
馬はもとより騎手や調教師にとっても、最大の目標であり名誉でもある「ばんえい記念」のタイトル。その迫力のレースを制するのはどの馬か。長く熱い一戦を見逃すな!
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