小池百合子 蓮舫 (C)週刊実話Web
小池百合子 蓮舫 (C)週刊実話Web

“緑のたぬき”小池氏と“赤いきつね”蓮舫氏の化かし合い「都知事選」の鍵を握る2つのポイント

東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)は過去最多となる50人以上が立候補の意向を示すなど、大混戦の様相を呈している。


“七夕決戦”となる今回の都知事選は、彦星と織姫が1年に1回会うというロマンチックな1日にはなりそうにない。


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現職で3選を目指す小池百合子都知事(71)と、立憲民主党前参院議員の蓮舫氏(56)以外の主な立候補者は、広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏、元航空自衛隊幕僚長の田母神俊雄氏、タレントの清水国明氏、発明家のドクター中松氏ら実に多彩な面々だが…。


「小池氏と蓮舫氏に比べると各候補者ともインパクトに欠ける。事実上、小池氏と蓮舫氏の一騎打ちとみられ、メンツと世代交代を懸けたアマゾネス同士の戦いになりそうです」


こう分析するのは夕刊紙記者。2人は、ひと癖もふた癖もある政治家だとして、こう続ける。


「小池氏は“緑のたぬき”と呼ばれていますから、蓮舫氏は“赤いきつね”といったところ。2人の化かし合いが見ものですよ」


小池氏を“緑のたぬき”、蓮舫氏を“赤いきつね”と色分けしたのは、外見以外にも理由がある。


「小池氏は、相手を悪役に仕立てる戦術が得意。過去に所属した自民党を悪として徹底的に血祭りに上げ、都知事選、都議選などで勝利を収めてきた。その策は『小池たぬき戦法』と呼ばれています」(同)


蓮舫氏については、大手メディアの都政担当記者が解説する。


「無所属出馬で封印しているが、蓮舫氏のバックには立憲民主党(立民)と共産党がいて、全面支援している。特に共産党は、1967年の都知事選で初当選し、3期都知事を務めた美濃部亮吉氏以来、当選の可能性が極めて高い候補者だけに力が入っている。しかし、熱が入りすぎ、立民の最大支援組織である連合の芳野友子会長が『連合は共産党とは考え方が全く違う』とクギを刺す事態に発展した。これを踏まえ、蓮舫氏を“赤いきつね”と揶揄する声が出ているのです」

2人の“弱点”には「いまさら」の声も

では、今後の選挙のポイントはどこか。

「まず最有力の小池、蓮舫両氏にはそれぞれ弱点がある。小池氏は元側近から告発された学歴詐称疑惑、蓮舫氏は二重国籍問題です」(選挙アナリスト)


小池氏の学歴詐称疑惑は、前回の都知事選直前にも問題視されたが、カイロ大学が学長名で「カイロ大卒を証明する」「卒業証書はカイロ大学の正式な手続きにより発行された」という声明を出したことで一件落着した。


ところが今年4月、都民ファーストの会事務総長だった小島敏郎弁護士が「2020年当時、小池都知事から相談を受け、問題を切り抜けるヒントを与えた」と暴露。


実際、6月18日に東京地方検察庁に告発状を提出し、小池氏を公職選挙法違反(虚偽事項公表罪)の容疑で刑事告発したのである。


一方、蓮舫氏の二重国籍問題は、17歳で日本国籍を取得した際、父の祖国・台湾の国籍を抜かずにそのまま放置。問題発覚後、蓮舫氏は台湾籍を正式に離脱して決着済みだが…。


「小池、蓮舫両氏の弱点が、有権者の投票行動にどの程度まで影響するか。例えば、都民の税金をごまかした、都政に支障をきたしたというなら致命的だが、2人の騒がれている問題は蒸し返しで、いまさらの声も多い」(前出・選挙アナリスト)

蓮舫氏にとっては「2位じゃダメ」な選挙戦

2人の得票に差が出るとしたら、2つの大きなポイントがあるという。

「1つは組織票がどう動くか。そして、2つ目は政策に都民がどう反応するかです」(同)


まずは組織票の動き。


小池氏も無所属出馬だが、自民党と公明党が支持。小池氏の基礎票は、2021年衆院選での自民党東京ブロック比例票約200万票、公明党の同約71万票、2022年参院選の東京選挙区でファーストの会擁立の荒木千陽氏の得票数約28万票の計約300万票が目安となる。


蓮舫氏の基礎票は2021年衆院選東京ブロック比例票の立民・共産・れいわ・社民の計約240万票だ。


「小池サイドの基礎票から、学歴詐称疑惑と自民党裏金問題、神宮外苑再開発に疑問を持った有権者の票がどれくらい逃げるか。蓮舫側は芳野連合会長がノーを突き付け、小池支持に回った影響がどう出るか。いずれにせよ、両陣営とも無党派層の獲得が勝敗を左右する」(同)


2つ目の政策も、無党派層の支持を得られるかが大きな鍵を握る。


「前回、小池氏は国際金融都市を目指す『東京大改革2.0』を発表したが、今回は『3.0』だという。また、出馬表明後、小池氏は自費で生成AI作成のキャスター『AIゆりこ』をX上に投稿、都政の取り組みを報告させ一部でバカ受けした。蓮舫氏は未来志向の政策で老若男女をどこまで引き寄せられるか」(全国紙政治担当記者)


蓮舫氏にとっては「2位じゃダメ」な都知事選。たぬきときつねの化かし合いの結果やいかに。