(画像)Narong Khueankaew/Shutterstock
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「チョコレートが高すぎて買えない」カカオ高騰で販売価格が2倍になる可能性も

チョコレートの原料となるカカオ豆が世界的に高騰している影響で、7月から10月にかけて菓子メーカーがさらなる値上げに踏み切るとみられている。


極端な場合、価格が2倍に跳ね上がる可能性もあるという。


「カカオ豆の価格は、3年前から高騰し続けています。今年3月末には、ニューヨーク市場の先物価格で1トン当たり1万ドルを突破し、過去最高値を更新。一時は銅の先物価格を上回ったほどで、ロンドン市場でも価格がアップしています」(投資ジャーナリスト)


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価格高騰の主な理由はカカオの不作。世界主要生産国である西アフリカ地区のコートジボワール(世界の44%)とガーナ(同16%)の天候不順により、収穫量が前年比で約35%も減少しているというのだ。


「ガーナでは洪水によって農地が荒れたほか、干ばつや病原虫が広まり、カカオの木が倒木。結果、ガーナは事実上の債務不履行に陥り、カカオを管理する政府機関の活動が、融資や運営資金不足によって停滞しているという情報があるほどです」(同)

原料不足と円安のダブルパンチ

チョコレートの素になるのは、カカオの実の種子であるカカオ豆。これを発酵・乾燥させた物をローストし、すりつぶしてペースト状にしたカカオマスと、カカオマスから採ったカカオバターがチョコレートの主な原料だ。


「カカオは、動脈硬化予防や“身体のさび”となる活性酸素を退治してくれる『カカオポリフェノール』がたっぷり含まれていることから、近年は健康食品としても愛されています」(健康ライター)


しかし、円安の影響もあり、日本国内では大幅に値上げせざるを得ない状況に追い込まれているのだ。


「カカオ豆の不作は2021年から始まっています。日本国内のチョコレート業界は、今年3月時点で、すでに平均3回の値上げを実施していますが、本番はこれからですよ」(大手菓子メーカー社員)


庶民がおやつにチョコっとつまむことは難しくなりそうだ。