拳銃を携帯した捜査員(C)週刊実話 無断転載厳禁 
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【スクープ】“脅し屋”か?埼玉・川口タクシー銃撃犯が過去に起こしていた「類似事件」の闇

5月29日午後11時40分ごろ、埼玉県川口市の路上でタクシー運転手の男性(72)の腹を“拳銃のようなもの”で銃撃。4週間の重傷を負わせたとして強盗殺人未遂の容疑で同31日に逮捕された無職の瀬川好一容疑者(68)が、過去にも似たような事件を起こしていたことが当サイトの取材でわかった。


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「顔と名前を見た瞬間、『あっ』と思った。瀬川容疑者は、2012年か13年ごろ、東京の銀座で同様の事件を起こして逮捕されているからです」


こう語るのは、警視庁担当記者だった某大手メディアのOBだ。


「当時、捜査員との雑談で『不思議な事件だ』と聞き、興味を持って少し取材したことがあったんです」(同)


この元記者が聞いた事件の概要は以下の通り。


教育関係者の男性A氏が、銀座の地下駐車場に車で入ろうとしたところ、後ろから来た車に激しくクラクションを鳴らされ、「モタモタすんな!」などの罵声を浴びせられた。


さらに、駐車場に入庫してからも、追ってきた車から降りてきた男に脅された。


その際、A氏は男に“拳銃のようなもの”を突きつけられたというのだ。


「A氏は、『布に巻いてある鉄の筒だった』『脅してきた相手と面識はない』などと証言していたそうです」(前出・元記者)


警視庁が、車のナンバーや防犯カメラから男を特定。逮捕されたのが瀬川容疑者だった。


「取り調べに対し、瀬川容疑者は『拳銃どころか何も持ってない』『入り口でトロトロしてたから、後ろからこづいただけだ』と供述。しかし、なぜ銀座にいたかは明かさず、雑談には応じるが、それ以外のことは話さない。この頃、すでに前科持ちだったようで、調べにも慣れている印象だったと聞きました」(同)


しかし、当時の瀬川容疑者は埼玉県内で清掃関係の会社を経営する社長で、警視庁がいくら調べても暴力団に在籍した過去や、裏社会などとの接点は出てこなかったという。


「捜査員も、瀬川容疑者が映画やドラマを真似て“布に巻いた硬い物”を突きつけた単なる脅しだったんじゃないかと軽く見ていたそうですが、調べを進めると、A氏との“接点”が浮かんできたというのです」(同)

「金を奪おうとは思っていなかった」

瀬川容疑者の通話記録を洗ったところ、千葉県内で動物を扱う業者のB氏が浮上。さらに、B氏の通話記録を調べると、Xという男と連絡を取り合っていたことが判明する。


「このXとA氏の間に、金銭が絡むトラブルがあったというのです。A氏は、瀬川容疑者とは『面識がない』と語っていたそうですが、B氏やXとの関係については話を濁していた」(同)


そこで、捜査員たちは「ある仮説」を立てた。


被害者のA氏とトラブルになっていたXがB氏に依頼。B氏が瀬川容疑者に仕事を振り、「実行犯として脅しをかけたのではないか」という見立てだ。


「A氏は交通トラブルだと被害を申し立てていましたが、実際には瀬川容疑者からXとの問題解決を迫られていた可能性がある、と。そうなると、実際に脅しに拳銃を使ったおそれもあるとして捜査員たちも色めき立ったそうですが、A氏が背景捜査に協力的ではなく、拳銃も発見できなかったため、瀬川容疑者は釈放されてしまったのです」(前出・元記者)


今回の川口市のタクシー銃撃事件でも、被害を受けた運転手は瀬川容疑者と「面識はない」と証言。瀬川容疑者も、「金を奪おうとは思ってはいなかったが、ピストルを撃ったことは間違いない」と容疑を一部否認している。


元記者が続ける。


「金目的じゃなかったとなると、瀬川容疑者は“脅し屋”とも呼べる裏稼業をしていた可能性も捨てきれません。あくまで推測でしかありませんが、今回のタクシー銃撃事件も誰かに依頼されて、意図的に被害を受けた運転手さんを脅しに行ったとも考えられるのです」


ただ、いくつも疑問は残る。


暴力団などとの接点がないはずの瀬川容疑者が、どこから拳銃を入手したのか。


68歳という年齢を考慮すると、SNS等を駆使して依頼を受けるという“闇バイト”的な側面も考えにくい、などなどだ。


当サイトは、こうした疑問をぶつけるため、銀座の事件を知る当時の捜査関係者を直撃。歩きながら話を切り出したところ、「よく調べましたね」と驚いた表情を見せたが、詳細は「答えられない」の一点張りだった。


6月5日正午の時点で、瀬川容疑者が犯行に使った拳銃は発見されておらず、詳しい動機も明らかにされていない。


この事件、まだまだ闇が深そうだ。