(画像)Krasula/Shutterstock
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“車のスマホ化”に政府も熱視線!電動化に乗り遅れた日本の自動車産業が巻き返しを狙う

数年前に世界中で「次世代自動車はBEV(バッテリー式電気自動車)」との潮流が起こり、ガソリン車はまるで〝悪〟のように論じられてきたが、最近は「BEV失速、HV(ハイブリッド車)絶好調」との報道が急増している。


じゃあ「未来の自動車はどうなるの?」との疑問をお持ちの方も多いことだろう。


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そうしたなか、経済産業省が5月20日に日本の自動車産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略案を公表。「SDV」と呼ばれる次世代車の販売目標を、2030年に国内外で計1200万台とする目標が盛り込まれたのだ。


このSDVとはいったい何なのか?


自動車評論家が解説する。


「SDVとはソフトウェア・デファインド・ビークルの略です。搭載されているソフトウェアで、自動車の性能が左右される、いわば〝スマートフォンの自動車版〟と考えてもらえるとイメージしやすいと思います」


ちなみに、テスラ車などは、すでにソフトウェアのアップデートで性能向上を図る機能がついている。

自動車産業以外の業界とも連携

そのためか、この先端技術に乗り遅れまいと発表された経産省の戦略案には、トヨタ、ホンダ、日産などの国内メーカーに加え、自動車産業以外の業界とも連携して技術開発を行うことも記されているのである。

このようにSDV開発を国が肝いりで支援する背景には、家電や半導体、スマホなど日本の基幹産業が立て続けに国際競争に敗れてきた苦い歴史が関係している。


「自動車のスマホ化とも言えるSDVは、比較的短期間でリーディングカンパニーのシェアを奪える可能性が高い。しかも、参入障壁も低いため、期待が膨らんでいるのです」(同)


電動化に乗り遅れた日本の自動車産業が、再び世界の中心に返り咲けるか。


このSDVの開発競争には、日本経済の行く末もかかっていると言えそうだ。