(画像)LeStudio/Shutterstock
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囚人部隊VS懲罰部隊が激突!ドロ沼化するウクライナ情勢

ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシア軍は北朝鮮から輸入した砲弾や弾道ミサイルなどを使用しているが、こうした北朝鮮製砲弾の半数以上が不発弾で、残りの大部分も劣化している可能性があることが明らかになっている。


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中には砲弾が砲身の中で爆発し、ロシア軍兵士が死傷するケースもあるほどだ。


「ただし、過小評価は禁物です。実戦経験の乏しい北朝鮮が兵器を戦場で試しているという側面もあるからです」(外交関係者)


ウクライナ東部地域の指揮官ユーリー・ソドル将軍は「ロシア兵の数はわれわれの7倍から10倍だ」と嘆き、ゼレンスキー大統領も「砲弾の物量差はウクライナの1発に対して、ロシア10発という状況」と危機感を強めている。

核をチラつかせるプーチン

こうした現状を打開するため、ウクライナ議会は「囚人を招集して前線に派遣する法案」を5月8日に可決した。


「ロシアでは、すでに昨年から軍紀違反者や民間の犯罪者らが『ストームZ』と呼ばれるロシアの懲罰部隊に投入され、ウクライナの前線に派遣されています」(同)


ウクライナでも同様に、囚人の招集や前線派遣を実施するというわけだ。


「同法案によれば、招集は囚人の自発的な意思によってのみ行われ、殺人、強姦、国家安全保障への攻撃などの罪で投獄されている重犯罪者は、その対象にはなっていないそうです」(同)


今後、ウクライナ東部などの戦場では、ロシア軍の“懲罰部隊”とウクライナ軍の“囚人部隊”が戦いを繰り広げることになりそうだ。


こうした事態を受け、米バイデン大統領が4月24日、ウクライナ支援法案に署名。米国は約610億ドル規模の支援に乗り出す。


「約10億ドルの第1弾兵器供給として、車両、対空ミサイル、高機動ロケット砲システム向けの追加弾薬、155ミリ砲弾、対戦車ミサイルなどがすでに承認されています」(同)


米国からの軍事支援は、守勢に回るウクライナ軍を活気づけるだろうが、戦争がさらに長期化した場合、この米国からの軍事支援が続くのかは不透明だ。


さらに、ロシアのプーチン大統領は「核戦争」をチラつかせることで欧米諸国を牽制し続けている。妥協案も見当たらず、戦況はドロ沼化する一方である。