企業経済深層レポート (C)週刊実話Web
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売り切れ続出の「全国旅行支援」プラン〜企業経済深層レポート

国の観光促進事業「全国旅行支援(全国旅行割)」が始まったが、1人最大1万1000円も得するため、スタート早々から大人気だ。都道府県別の割引制度を組み合わせれば、さらにお得になるケースも多々あるという。仕組みを理解した上で、上手に活用したい。


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まずは今回の全国旅行支援の基本を押さえよう。旅行代理店経営者が、その仕組みを解説する。


「実施期間は10月11日から12月下旬までで、旅行代金の40%が割引になります。割引上限額は、交通付旅行商品の場合が8000円引き、それ以外の場合は5000円引き。別途、おみやげの購入などに利用できる地域クーポン券が、平日3000円分、休日1000円分付いてきます。国がこのために用意した資金は約5600億円です」


実は2年前の『GoToトラベル事業』よりも割引率は低い。だが『GoTo』の仕組みでは、高額な高級宿泊施設ほど値引きが大きくなり、リーズナブルな宿では割引率が悪いと批判も多かった。その反省を踏まえ、今回はリーズナブルな宿を選んだ方が得をする仕組みなのだという。


では具体的に、お得なケースを探っていこう。


まずは東京都民の場合。「全国旅行支援の最大割引1万1000円に、5000円の上乗せ割引で1万6000円得する」ケースだ。旅行アナリストが解説する。


「最大1万6000円お得になるのは、都民が都内を旅行するのに『全国旅行支援』に都民割『もっとTokyo』を併用する場合です。この都民割は、キャンペーン参加の旅行会社や予約サイトなどが販売する旅行が対象で、1人1泊につき6000円以上の旅行で5000円の割引となるため、全国旅行支援の最大1万1000円割引と合わせて1万6000円もお得になるのです」

割引上限額の変動はないので注意

続いては全国民が対象となる「実質ゼロ円で宿泊できる」ケース。旅行代理店関係者が言う。


「例えば平日に1人1泊5000円の宿泊施設に泊まれば、全国旅行支援が適用され、宿泊費は4割引の3000円になります。併せて平日利用の地域クーポン3000円分が配布されるため、実質ゼロ円の旅行となるのです」


注意すべきは割引対象に下限がある点だ。


「1人1泊当たり、平日なら5000円、休日なら2000円を下回る場合は、割引対象外になります」(同)


最後も全国民が対象で「高額宿泊費は割引率が低いため、適度な価格の宿泊がお得」というケース。旅行アナリストが語る。


「例えば、1泊1室2人宿泊で総額3万円の場合、交通費別の最大割引は1人5000円のため、2人分で1万円の割引となり、支払いは2万円になります。宿泊費がもっと高額になっても、割引額の上限は1人5000円です。そのため、1泊1室2人宿泊で5万円の宿に宿泊した場合、支払いは4万円で割引率は20%にダウンしてしまう」


リーズナブルな宿を利用した方がお得なのだ。


この他にも、自治体ごとに独自の上乗せ割引や、クーポンを配布するキャンペーンが実施されている。


旅行アナリストが言う。


「北海道函館市の場合、独自の旅行割引制度『はこだて割』があります。1人1泊3000円以上の宿泊が対象で、宿泊料金が50%オフに。上限は1人1泊1万円まで。もちろん全国旅行支援との併用も可能です」


同様の制度は、北海道の小樽市でも用意されている。『とまっ得おたる』キャンペーンだ。市内の対象施設に専用プランで宿泊すると、1万円を上限に宿泊料金を最大50%割引する。全国旅行支援との併用でさらなる格安旅行が可能になる。


四国でも独自のキャンぺーンを展開している。


「高知の『高知観光リカバリーキャンペーン』は、県内での宿泊者に1旅行最大5000円の交通費を助成します。全国旅行支援との併用でさらにお得に」(同)

完売プランもキャンセルが待ち狙い目

こうした各地の動きに合わせて鉄道各社も動く。鉄道関係者が解説する。


「JR北海道は、普通・快速列車が1日2000円で乗り放題になる『クーポン de 北海道乗り放題パス』を発売します。これがなんと、全国旅行支援の地域クーポン券『ほっかいどう応援クーポン』で購入できるのです」


平日利用ならば3000円分のクーポン券でまかなえてしまうのだ。


ところで、今回の全国旅行支援は発売と同時に大手予約サイトなどでは売り切れも続出し、「対象プランが即完売で手に入らない」と苦情も殺到しているという。旅行アナリストが言う。


「宿泊施設や旅行会社に直接問い合わせるのも一つの手。キャンセル待ちも狙い目です。目下、年明け以降も割引事業を継続する方向で政府は検討中。そこに焦点を合わせるのも良い」


なお、全国旅行支援の利用には、運転免許証や健康保険証などの本人確認書類に加え、3回目のコロナワクチン接種証明書、もしくはPCR検査などの陰性証明書の提示が必須。12歳未満の子供は、親族同伴で住所が同じであることを証明する書類があれば、証明書は不要だ。