両国国技館 (C)週刊実話Web 
両国国技館 (C)週刊実話Web 

“ひとり横綱”照ノ富士の10度目休場に協会が歯ぎしり それでも引退できない裏事情

東京・両国国技館で行われている夏場所もいよいよ終盤。尊富士が新入幕優勝した先場所をほうふつさせるように優勝争いが熱くなっているが、一方で際立つのが若手の台頭、新旧交代の波だ。


場所前から横綱、大関陣の調子がさっぱり上がらず、「このままでは、また下位力士に賜杯をさらわれる」と協会関係者は眉をひそめていた。


【関連】大荒れの夏場所に相撲協会首脳陣が真っ青 目玉力士のケガ&休場続出 ほか


しかし、なんと初日に横綱、大関ばかりか、関脇の2人までが全滅。2日目には早くもひとり横綱の照ノ富士、大関の貴景勝、さらに7日目には大関かど番の霧島も休場してしまった。


とりわけ、目を覆いたくなったのが照ノ富士で、2場所連続、横綱在位17場所で10度目の休場だ。つまり、毎月300万円の給料だけもらって、3分の2近くを休んでいることになる。


師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は、「ヒザと脇腹の肉離れ。脇腹は痛すぎて力が出ない状態だ。せきをしただけで痛いらしく、ひざは古傷。名古屋では万全な状態で出られるように調整する」と明かした。


しかし、ここまで休場が多いと何を言ってもいい訳に聞こえる。

横審も「出処進退を考えることもある」とコメント

5日目に本場所を総見した横審の山内昌之委員長も、「責任の表現には、出処進退を考えることもある」と話し、これまでとは明らかに空気が違ってきた。


引退に向けて、外堀が急速に埋まり始めたと言えるが、なのになぜ、照ノ富士は最後の一歩を踏み出せないのか。


「体力的には明らかに限界で、本音は辞めたいはず。でも、辞めたくても辞められないのが実情です。理由は、引退後に名乗る年寄株を入手していないから」(協会関係者)


つい最近も、事業部長まで務めた尾車親方(元大関琴風)が電撃退職し、わずか1週間後に元幕内琴恵光が襲名した。


「大相撲界は大変な年寄株不足。現在、空き株は2つありますが、いずれもすでに譲渡先が決まっており、照ノ富士は手を出せない状態。株さえあれば、1年後には伊勢ケ浜部屋を継承する目もあるんですが。横綱在位3年、優勝9回。購入する金は持っているはずなんですけどね」(同・関係者)


照ノ富士の苦境は続く。