台湾・金門島にある重光塔(画像)leungchopan/Shutterstock
台湾・金門島にある重光塔(画像)leungchopan/Shutterstock

Xデーは5月20日!? 中国が「台湾」「尖閣」同時侵攻を開始する“恐怖のシナリオ”

台湾、そして日本の近海が、がぜんキナ臭くなり始めた。


5月20日に台湾で行われる頼清徳新総統の就任式を巡り、中国海警局の船舶が連日、台湾の「金門島」や日本の「尖閣諸島」周辺の海域に接近しているからだ。


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習近平主席は、台湾と尖閣諸島を「核心的利益」と呼んでおり、金門島や尖閣諸島に上陸するシナリオを具体化させる危険性も高まっているという。


「中国には、2027年までに台湾を併合する狙いがあるいわれています。習政権にとっては血を流さずに統一できればベストですが、武力侵攻も視野に入れているとみられている。中国は尖閣についても領有権を主張しており、日本が隙を見せるのを狙っているのです」(安全保障アナリスト)


このため、近年は中国海警局の船舶が、台湾や尖閣周辺の海域を「パトロール」名目で威嚇航行していたのだ。

「軍事演習」に見せかけて攻撃開始

ちなみに、中国海警局は日本の海上保安庁に当たるが、実態は大きく異なっている。18年に中国軍の最高指揮機関「中央軍事委員会」傘下の「人民武装警察部隊」に編入された組織で、軍艦を改修した船を用い、搭載する76ミリの機関砲は海保の巡視船の甲板を貫通する能力があるといわれている。

「中国船は連日尖閣や台湾周辺を航行することで、いわば〝罠〟を仕掛けており、日本や台湾の船と紛争になるのを狙っている恐れもある」(軍事ジャーナリスト)


そんな策略を展開する習政権に対し、頼清徳新総統は中国への併合には応じない構えを見せている。


前出の軍事ジャーナリストが続ける。


「中国が、台湾の総統就任式当日や、その直後に周辺で大規模な軍事演習を実施する可能性が急浮上しています。『軍事演習』としながら、そのまま侵攻を開始する例もある。実際、22年にはロシア軍がウクライナ国境付近で演習を始め、そのまま侵攻に入っていますからね。中国軍も、台湾周辺での演習を〝攻撃〟に切り替える可能性があり、そうなった場合は台湾と近い与那国島や尖閣諸島も攻撃対象になってもおかしくないのです」


Xデーは5月20日。すぐそこに危機が迫っている。