(c)野生児童
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LiLiCo☆肉食シネマ~『渇愛の果て、』/5月18日(土)より全国順次公開

監督・脚本・プロデュース/有田あん 出演/有田あん、山岡竜弘、輝有子、辻凪子 配給/野生児童


お仕事お疲れさまです。


前回はアニマルパニックホラーの『キラー・ナマケモノ』で、〝同じ人間が紹介してるのかっ!?〟というくらいバラエティーに富んだ作品をご紹介している私。この『週刊実話』の映画紹介をずっと読んでくださっている方に、何かが響けばいいなぁと思っています。


【関連】LiLiCo☆肉食シネマ~『キラー・ナマケモ』/4月26日(金)より全国ロードショー ほか


今回の作品は、日本ではデリケートなテーマとして扱われますが、誰かが話さないといつまでもタブー視され、表に出さないまま止まってしまう。


私はテレビでも更年期や生理、セックスレスといったことをオープンに話しています。


だって、別にうちの私生活を赤裸々に言ってるわけではないからね。


この国の一番大きな問題はコミュニケーション不足。できれば、そこを通りたくない、忘れたフリや忙しいフリ、聞こえないフリが多いのは「妊活問題」だと10年くらい前から感じています。


夫婦であっても子どもができないのは女性のせいにされがち。男性は精子すらチェックしない。


そして、その親もまた〝うちの息子には責任がない〟と思い込んでしまっている。


特別養子縁組ですら、まだまだ理解が浅い。これは大きな問題です。

見ないフリをせず、まずは知ってほしい

この作品は、役者が演じる物語ではありますが、ドキュメンタリーっぽい作りのためリアリティーに溢れていて、触れたくない感情も描かれています。


共感や理解を得たいからと押しつけがましい感じではなく、知って欲しいんです。


知ると、どう支えてあげればいいのかが分かります。


パパになっても何をしたらいいのか漠然と育児休暇を口にしたり、「こういうのって男性は分からないからね」的な発言をしたり…。


でも、それが次第に〝2人のことなのに何も分からずすみません〟に変わっていく。


大きなテーマとしては出生前診断。妊娠中に赤ちゃんが健康かどうか、もし何か問題があったら治療できるのか、もし大きな問題があったら産むのかなど、人それぞれの考えでいい。


一番良くないのは「うちは大丈夫」だと私は思います。


終盤の主人公の感情が爆発する瞬間は、見ている側も心が痛い。


同じ経験をした方や、これから親になる方に、こういう実体験に基づいた優しさ溢れる作品を見てほしい。


主演を務める有田あん監督が友人の実体験や助産婦さんなど、さまざまな方にインタビューをして出来上がった脚本です。