(画像)Goga Shutter/Shutterstock
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北朝鮮「祝日の配給」もショボくなった!? 経済失政と二股外交の“大いなるツケ”

北朝鮮で異変が起きている。


「〝民族最大の祝日〟と位置付けられている金日成主席の誕生日『太陽節』(4月15日)と、2011年に死亡した金正日総書記の誕生日『光明星節』(2月16日)が盛り上がっていないんです」(北朝鮮ウオッチャー)


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かつては、両節ともに住民や労働者に対して食品や酒、雑貨、学生服、菓子などの特別配給が「指導者からの贈り物」として住民に無償で下賜されたというが…。


「経済が悪化してからは、質も量も劣悪になりました。しかも、例年の『光明星節』なら、忠誠の歌の公演、正日氏の追悼の集まりなどの行事が行われ、学校、青年同盟、女性同盟、企業など、すべての組織で祝賀が行われていましたが、今年は各組織とも規模が縮小されているのです」(同)


今年は「太陽節」にも特別配給がなかったという。


「もっとおかしいのは、金日成主席の生誕112周年で区切りも良いのに、『太陽節』という字句を朝鮮労働機関紙・労働新聞などの官製メディアが使ったのは1回だけ。代わりに『4・15』やら『4月の名節』などの表現が使われていた。これには違和感すら感じます」(同)


しかも、金日成国家主席の遺体を安置する平壌の錦繍山太陽宮殿に、金正恩総書記や妹の金与正党副部長など幹部らが参拝したとの報道もなかったのである。

プーチン大統領の訪朝も不透明

こうした動きを、北朝鮮専門家は「正恩氏の地位を高める演出ではないか」と分析している。


「ただでさえ、住民からは正恩氏の経済失政に対し怨嗟の声が上がっており、これを封じ込めようとする意図があるのかもしれない」(専門家)


一方、外交面で北朝鮮は、大国のロシアと中国を天秤にかけ、バランスを取りながら両国間を遊泳してきたが、ここにきてロシアとの関係を深めつつある。


「プーチン大統領は、5期目の大統領就任式を終えた5月に中国を訪問する予定です。その帰路に北朝鮮も訪問することを正恩氏と約束していました。ところが、中東情勢の緊迫化が始まり、いまや訪朝どころではないようです」(外交関係者)


貧困にあえぐ国民への特別配給はままならず、中ロに二股をかけた瀬戸際外交も先行き不透明。まさに〝内憂外患〟の状態に陥っているようだ。