(画像)jin1305 / shutterstock
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暴力団が暗躍する“白いダイヤ”シラスウナギ「密漁」の実態

近年、海流の変化などで不漁続きだったウナギの稚魚・シラスウナギが、昨年は鹿児島県で豊漁だった。


2023年度の採捕量は過去10年で最多の767.7キロ(前シーズンの2.7倍)だったことから、今年の土用の丑の日はウナギの値下げが期待されているが…。


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「養殖ウナギの稚魚・シラスウナギは高値で取引されることから〝白いダイヤ〟と呼ばれています。シラスウナギを不正に買い取る闇ルートがあって、密漁で約4割が闇に消えている。しかも、それが暴力団の資金源にもなっている」(警察関係者)


採捕を許可する都道府県を通じて、水産庁が「取引の透明化」を呼びかけたが、流通経路が複雑なため、改善されていないという。


「水産庁は2021年12月にシラスウナギを『特定水産動植物』に指定。密漁すれば3年以下の懲役または3000万円以下の罰金を科すとしたが、それでも密漁が後を絶たない」(同)

鹿児島以外の採捕量は低水準

無許可採捕の罰則が大幅に強化された直後の昨年12月、高知県で49歳の男らが漁業法違反容疑で検挙された。

今年2月末にも千葉県の川で父子が全長13センチ以下のシラスウナギ69匹を密漁したとして同じく漁業法違反容疑で逮捕され、彼らは「金のためにやった」と供述している。


「今年4月17日にも、漁期外にシラスウナギを密漁したとして、高知県の会社役員の男(32)が県警安芸署に漁業法違反容疑で逮捕された。男はすくい網を使ってシラスウナギ4匹を採捕した疑いですが、男が密漁の中心人物で、他にも共犯者がいると見て引き続き捜査しています」(全国紙記者)


密漁ではない正規ルートでは、冒頭のように鹿児島県でシラスウナギの採捕量が過去10年で最多を記録したが、それだけでは市場価格に影響しないという見方もある。


「国内で養殖生産量1位の鹿児島県が採捕量最多を記録しましたが、隣接する宮崎県やウナギ漁が盛んな地域では相変わらず低水準です。それに輸送コストも下がらない。シラスウナギの密漁を根絶しないと、国産ウナギは高くて庶民の手に届きませんよ」(東京・豊洲市場の水産仲卸業者)


一般庶民には、今年も〝高値の花〟となりそうだ。