
『当事者たちの証言で追う 北朝鮮・拉致問題の深層』著者:鈴木拓也~話題の1冊☆著者インタビュー
鈴木拓也(すずき・たくや) 1975年、神奈川県生まれ。産経新聞を経て2003年に朝日新聞社入社。社会部で警視庁捜査1課、政治部で首相官邸や外務省などを担当。日韓関係や北朝鮮問題を中心に取材を続けてきた。【関連】『七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり』著者:増田俊也~話題の1冊☆著者インタビューほか
――そもそもなぜ北朝鮮は日本人を「拉致」したのでしょうか?
鈴木 日本人拉致が繰り返された1970~80年代は韓国との経済格差が広がり、北朝鮮が焦り始めた時期です。2002年に帰国した被害者や脱北した元北朝鮮工作員らの証言によると、当初の目的は拉致した日本人を洗脳教育して工作員に養成。韓国に送り込み、北朝鮮支持を広げる世論工作や、機密情報の入手などに従事させようと企んだようです。しかし、このような荒唐無稽な企みがうまくいくはずがありません。計画を断念した北朝鮮は被害者を工作員への日本語教育係や、日本語資料の翻訳などに従事させました。
――拉致被害者は北朝鮮でどんな生活を送っているのですか?
鈴木 帰国した蓮池薫さんら5人の被害者が25年近く続いた北朝鮮での「隔離生活」について証言しています。特殊機関が管理運営し、外部と遮断された「招待所」と呼ばれる施設を転々としました。常に監視され、外出が認められるのは、職場への出勤や学校への登校、決められた日時に行く平壌中心部の百貨店での買い物程度。配給にはビールやたばこもあったそうですが、マヨネーズなど入手困難なものは自分たちで作ったそうです。
拉致被害者らの証言で拉致交渉の舞台裏を追う
――再調査を約束した「ストックホルム合意」はなぜ破棄されたのですか?鈴木 ストックホルム合意は、北朝鮮が拉致被害者を含む日本人の再調査を行う代わりに、日本は独自制裁の一部を解除するとの内容でした。日本政府は公表していませんが、北朝鮮は1978年に拉致された田中実さんら2人の生存を認め、調査報告書を受け取るよう日本側に求めました。しかし、当時の安倍政権は他の被害者への言及がなかったことから、調査は不十分として受け取りを拒否。反発した北朝鮮は合意を事実上破棄し、その後は日朝間で新たな協議は行われていません。田中さんたちが現在、どのような状況にあるのかも分かりません。
――政府は北朝鮮とどのような交渉を進めているのでしょうか?
鈴木 岸田文雄首相は訪朝して金正恩総書記に直談判したいと考えており、昨春から本格化した水面下の接触は続いているようです。正恩氏は米大統領選後の対米交渉を見据え、最悪の関係にある韓国は無視し、日本との関係を築いておきたいという思いはあるでしょう。拉致問題は「解決済み」と主張しながらも、意味深なメッセージを出し続け、日本の出方を探っていると思われます。
(聞き手/程原ケン)
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