山崎賢人 (C)週刊実話Web 
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陰陽師0と呪術廻戦、NewJeansとILLIT カルチャーにおける“パクリ”と“引用”は何を指すのか?

4月19日から公開が始まった映画『陰陽師0』が好調だ。しかし、大人気作品『呪術廻戦』のパクリだと指摘する声も少なくない。


『陰陽師0』は、平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた夢枕獏のベストセラー小説『陰陽師』の前日譚を、完全オリジナルストーリーとして描く。晴明は山崎賢人、その脇を染谷将太、奈緒、安藤政信、村上虹郎などが固めている。


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19日から21日までの興行成績を集計した国内映画ランキング(興行通信社調べ)で、『陰陽師0』は3日間で動員18万7000人、興収2億5500万円を記録し、初登場3位にランクイン。1位は『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』、2位は『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』と、アニメ映画に囲まれたが、大健闘の結果を残した。


しかし一部からは《あまりにも呪術廻戦に寄せすぎでは?》《呪術っていうものが出てくる上にタイトルに0をつけるの…「呪…廻…のパクリか…?」って思ってしまった》《呪術廻戦のヒットにあやかろー!って宣伝アリなの? 見る度にイライラする》などと指摘されている。


「夢枕獏の『陰陽師』が発表されたのは、1986年。シリーズ1作目が単行本になったのは1988年のこと。比べるまでもありませんが、『呪術廻戦』の連載が始まったのは2018年。前日譚の『東京都立呪術高等専門学校』(通称0巻)が発表されたのも2017年のことです」(カルチャーに詳しいウェブライター)


当然、パクリを指摘する意見には《元ネタは同じ時代の呪術なんだから、パクリも何もない》《呪術廻戦なんて、この世に数多ある漫画の後発も後発も後発だよ》《呪術をテーマにした作品なんて、これまでどれだけ作られてきたと思ってんだ》《陰陽師が呪術廻戦のパクリって…逆じゃねえのかよ》といった反応も寄せられている。

『陰陽師0』と『呪術廻戦』、NewJeansとILLIT

「そもそも『呪術廻戦』自体が他作品からの引用やインスパイアが多く、これまで幾度となく物議を醸してきました。しかし、パクリだと指摘すること自体がナンセンス。これまでに世の中へ発表されたアニメや漫画で、他作品からの引用が無い、影響を受けていない作品を見つける方が難しい。『パクリだ、パクリだ』と騒ぎ立ている人たちは、これまで多くのアニメや漫画に触れてきたことがないだけなので、口を閉じた方がいい」(同・ライター)

同じように“パクリ騒動”で大きく揺れているのがK-POP界隈だ。


「韓国のガールズグループNewJeansのプロデューサーであるミン・ヒジン氏と、彼女たちが所属するエンタメ大企業のHYBEが大揉めです。HYBEはNewJeans所属のADOR経営陣に監査権を発動。ADORの代表ミン・ヒジン氏に、辞任を要求している。一方でADOR側も声明を発表し、HYBEがNewJeansの成果を侵害していると主張。さらにHYBEの系列事務所BELIFT LABが、NewJeansと似ているグループのILLITをデビューさせたことを批判しました」(同)


要はミン・ヒジン氏が作り上げたNewJeansの世界観を、いとも簡単にILLITが模倣してデビューたため、トラブルに発展したということだろう。


「NewJeansは、1990年代から2000年代のポップスとR&Bの要素を組み合わせた音楽、ファッションスタイルで人気を強固なものにした。その引用元は日本のカルチャーにもおよび、SPEEDやミニモニ、SMAPなどを参考したと考えられる。一方でILLITも、同じような世界観や方向性で活動している。25日にミン・ヒジン氏は緊急記者会見を開き、状況などを詳しく説明しました」(同)


『陰陽師0』と『呪術廻戦』、NewJeansとILLIT。現在の世の中に“完全オリジナル”なモノは存在しないが、その引用の仕方によって受け取り手の印象は違うようだ。