女子陸上競技で、OLと女子高生による世代間抗争が勃発している。中距離走のエース、田中希実が貫禄を見せつけたのは、4月13日に熊本県で行われた金栗記念選抜中長距離大会だった。
田中は1000メートル、1500メートル、3000メートル、5000メートルの日本記録保持者でもある。その若き女王の牙城に挑んだのが、女子高生のドルーリー朱瑛里と久保凛だ。
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中でも久保は800メートルで、田中とのラスト200メートルでの全力疾走対決に競り勝ち、優勝した。
「800メートルは田中の専門外とはいえ、高校生の久保にとって自信になったと思います」(体育協会詰め記者)
もっとも、この敗北に屈せず田中がオトナのレース展開を見せたのは、800メートルの決勝から約2時間半後に行われた1500メートルだった。
田中はこの種目にもエントリーしていたが、ここで女王に挑んだのがドルーリーだった。
女王の座を譲るつもりはない田中希実
「昨夏の全国高校総体の同種目で3位だったドルーリーは、先頭集団についていくのがやっとの印象でした」(スポーツ紙記者)
結果は13位。片や田中は800メートルと同じく2位だったものの、日本人トップ&大会新記録を樹立。トラックレースでの初対決は田中の勝利に終わった。
「田中はパリ五輪出場が、ほぼ確実となりました。注目された新旧ライバル対決は、彼女の圧勝だったのです」(前出・体育協会詰め記者)
ただ、興味深かったのはレース後のドルーリーのコメントだ。
「シニアの選手と戦える力はあったと思う」と手応えを口にしながらも、「次は自分の走りに集中したい」と、暗にレースを引っ張るベテラン(シニア)選手らの術中にはまったことを認めたからだ。
「田中は5分弱の1500メートルでも、走るペースを変えて女子高生たちをふるい落としていた。今年1月のレースでは『ジュニア世代が育ち、一緒に戦っていけるのはすごくうれしい』などと語っていたが、まだまだ女王の座を譲るつもりはないというわけです」(スポーツ紙記者)
女子陸上界の世代間抗争は、今後も過熱しそうだ。
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