(画像)yoshi0511/Shutterstock
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漫画村・星野ロミ氏の“賠償金踏み倒し宣言”に批判殺到 一方でひろゆきを持て囃してきた日本社会の矛盾

海賊版サイト『漫画村』創設者・星野ロミ氏に対する、日本社会の〝ダブルスタンダード〟が浮き彫りになった。


星野氏は4月18日、東京地裁から約17億3600万円もの損害賠償を言い渡された。同氏が創設した『漫画村』は出版社に許可を取らずに多くの作品を閲覧可能な状態にしており、星野氏は19年9月に著作権法違反・組織犯罪処罰法違反の容疑で逮捕されている。


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21年6月には、福岡地裁から懲役3年・罰金1000万円・追徴金約6257万円の有罪判決が下され、今回は集英社・KADOKAWA・小学館から民事で賠償を求められている。


判決後、星野氏は自身のXやYouTubeを更新したほか、メディアの取材に応じ、「根拠を無視したものだと思っているので、全く反省はしていないです」などと本音を吐露した。


賠償についても「一切払うつもりないです」と語り、YouTubeでは「そもそも18億円なんて持ってない」など、支払い能力がなく、現実的でないと指摘。「パフォーマンス的な。『漫画村』なんて作ると18億円損害賠償出るんだぞっていう風に、見せしめにするための裁判」と分析し、「あまり気にせず今後も頑張っていこうと思っています」などと笑みをこぼしている。


だが、こうした態度は、もちろん批判されることとなる。


「法を犯して巨額の賠償を命じられながら、応じる姿勢を見せない不届き者」といった具合で、バッシングを浴びている現状だ。


しかし、こうした批判には疑問の声も多い。元2ちゃんねる管理人のひろゆきこと西村博之氏を持て囃してきた前例があるからだ。

星野ロミ氏は“ひろゆきフォロワー”なのか?

巨額の賠償金を踏み倒したネット発有名人といえば、ひろゆき氏が先駆者。彼は旧2ちゃんねる管理人として、名誉毀損や違法取引を放置した管理責任を問われるも、巧みに逃げ回って、そのほとんどを踏み倒したことで知られている。

そんな彼も、今やすっかりメディアの寵児。かつてはアングラサブカル有名人だったが、大手出版社の本や地上波テレビに登場するほどオファーが相次いでいる。


ソーシャルメディア上には《ひろゆきの悪影響がここにも…バラエティーやCMに起用するのはどういう事か考えた方がいい》《星野ロミは面白い人物ではあるのだろう。だが彼をインフルエンサーの如く紹介しているメディアはどうかと思う。ひろゆきを知の権威みたいに扱ってきたのが日本社会なわけで、今更の話かもしれんが》《ひろゆきの賠償金踏み倒しは悪い意味での成功体験で、そういう過去を無かったかのようにタレント的に持て囃すから、星野ロミみたいな悪いフォロワーも出てきちゃう》など、疑問の嵐だ。


「星野氏に賠償を求めた三社は、いずれもひろゆきの対談や自己啓発本などを出版している。さらには、子供向けに『よのなかの攻略法』『ひろゆき、異世界でも論破で無双します』『異世界ひろゆき』なる作品まで送り出した。『週刊プレイボーイ』では、ひろゆきと堀江貴文氏の対談を連載され、書籍化している。現に星野氏は3月24日、YouTubeへ『裁判で賠償金を負わされても払わずに逃れる方法を全部教えます【ひろゆきから学ぶ】』という動画をアップしている」(フリージャーナリスト)


2020年頃、ひろゆきブームが起きた際は「このような人物を持ち上げていいのか」という議論が常に巻き起こっていたが、このままでいいのだろうか。