(画像)Dragos Asaftei / Shutterstock.com
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救急車の“有料化”待ったなし!? 半数を占める「軽症者」の利用を抑制する効果も

コロナ禍以降、救急車の要請が殺到している。


総務省消防庁によると、2023年の救急出動件数は前年比5.6%増の763万7967件で、輸送人員は前年比6.8%増の663万9959人となり、過去最多を更新した。


これが原因で119番通報しても「10分以上救急車が来ない」「電話しても繋がらない」などの状況が慢性的に発生。「救急車が出払い、遠方から向かうケースも増えている」(消防庁関係者)という。


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また搬送時にも、病院が急患の受け入れを拒否したり、受け入れ先が見つからず「たらい回し」になる事例も後を絶たない。


救急関係者が言う。


「コロナワクチンの接種が要因とみられる心臓疾患も急増していて、救急隊員も過度な出勤による肉体疲労やストレスにさらされ、救急現場がひっ迫しています」

1500億円前後の税金が浮く計算

ところが、119番通報で病院に搬送された人の48%は軽症者。おかげで、一部では救急対応〝有料化〟の動きも出始めている。

「三重県松阪市の3つの基幹病院では、救急車で搬送されたにもかかわらず、入院の必要がなかった患者から『選定療養費(紹介状なしで来院した患者が支払う料金)』7700円を6月から徴収する方針です。今までは、救急車で運び込まれた患者は免除されていました」(同)


救急車は一度の出動で人件費や燃料費、医療資器材を含め約4万5000円のコストがかかる。財源は税金で、2023年だけで約3200億円以上の費用がかかっている。


「軽症者が救急車を要請した場合の負担がなくなるだけでも、優に1500億円前後のカネが浮く計算です。救急車の有料化を目指す動きは、東京をはじめ各地で起きています」(同)


海外では有料の国も多く、民間救急車の活用も広がっているという。


今後、高齢化がさらに進むわが国では有料化も待ったなしだ。