4月4日、日本維新の会の横山英幸・大阪市長が「行政運営の効率化のため」と称し、大阪市内24区をグループ分けする〝ブロック化〟を提唱。任期中の2026年度を目途に積極的に進める考えを示した。
横山市長が意欲を見せるこの「新都市制度」は、大阪市内外に大きな波紋を広げている。
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「〝ブロック化〟という考えは3月に市が公表した『新・市政改革プラン』の中に記されていました。それを4日の会見で横山市長が改めて明言したことで、一気に注目されたのです」(在阪記者)
大阪市には、全国の政令市で最多の24区がある。しかし、図書館やプールなどの公共施設が区ごとにあり、「行政の非効率」が一部で指摘されていた。
「そのため、維新は市を廃止、複数の特別区に再編し行政の効率化と市民の利便性を高めるため『大阪都構想』をぶち上げたわけです」(同)
しかし、15年と20年に住民投票を実施し、2度とも「ノー」を突き付けられて否決。それにもめげず、維新内部ではいまだに都構想を推進する意見が根強い。
「今回飛び出した大阪市の〝ブロック化〟は、都構想の『三度目の正直』に向けての地ならしという見方が有力です」(同)
問われる万博の安全性
もっとも、魑魅魍魎が巣くう政界では何事も一筋縄でいかないのがお決まりだ。
「維新が旗振り役として推進している大阪・関西万博は、開幕が1年を切ったのに延長論や中止論が出るほど逆風にさらされている。その最大理由は会場建設費が当初の約2倍の2350億円に膨れるなど、膨大な税金が使われていることですが、ここにきて安全面でも不安視する声が上がっています」(夕刊紙記者)
直近の3月末には、会場となる夢洲で建設工事中に爆発事故が発生した。これは同地が埋立地のため、廃棄物から自然発生したメタンガスに工事の火花が引火した可能性があるという。
「幸い大事には至らなかったが、各方面から万博開催の安全性を疑問視する声も上がり、さらに評判を落としているのです」(同)
万博の不評ぶりとともに、維新の政党支持率も急降下。昨年の春ごろには約7%近くあったが、今年2月には半数まで落ち込んでいる。
こうした背景もあり、〝ブロック化〟は万博批判から目をそらすために打ち出した苦肉の策とみる向きもあるようだ。
「維新は大阪都構想の住民投票で2度否決されてはいるが、どちらも僅差。逆に維新の存在感や勢いはその後に増していった。都構想を実現するため、府知事と市長のダブル選挙に挑む姿勢も大阪の住民には支持された。今回の横山市長の〝ブロック化〟は、形を変えた都構想と捉えられていますからね」(大阪市議会議員)
一石二鳥か、二兎を追う者は一兎をも得ずか。
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