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JRA重賞『金鯱賞』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C) JRA
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先週の弥生賞ディープインパクト記念は、断然一番人気ダノンザキッドがまさかの3着…。重賞で単勝150円以下の大本命馬が連を外したのは、昨年暮れのGⅠチャンピオンズCのクリソベリル(単140円)以来とか。そういえばあの時も鞍上は川田だった…。僕としては単も狙ったシュネルマイスターがせっかくダノンザキッドに先着したというのに、まんまと逃げ切ったタイトルホルダーの後塵を拝したことが残念至極だったが、馬連が意外と付いたことでヨシとしたい。

さて、そのシュネルマイスターは皐月賞切符を見事手に入れたのだが、やはりマイル適性の方が上だろうから、NHKマイル狙いという手もあるだろう。当の手塚師も「悩ましい」と言っていたなあ。あとはルメールが乗れるか否かも重要となるだろう。個人的にはNHKマイル推しだけどね。いずれにしても3歳牡馬GⅠ戦線が俄然面白くなってきた!

流れとしては、ここから3歳牝馬GⅠ戦線で重要なフィリーズレビュー(阪神)に繋げるのが筋だろうが、元来ヘソ曲がりなので、同じGⅡ、同じ日曜日メーンなら、中京の金鯱賞をチョイスしたい。何と言っても、昨年の牝馬三冠デアリングタクトが、古馬となってここから始動するからだ。三冠馬に恐れをなしたのか、出走頭数は少ない。おまけに牝馬はただ1頭の紅一点。他の牡馬に付け入る隙があるのか否か。後に語り継がれるであろう〝名勝負〟となった昨秋のジャパンカップで、アーモンドアイ、コントレイルに続く微差3着の物差しから考えれば、ここは並み居る牡馬たちを従えて堂々たる〝女王様〟の貫禄を発揮するはず。

先週のダノンザキッドはコケたし、嫌なデータもないわけではない。過去、牝馬三冠馬の4歳初戦では、海外遠征の2頭は1、2着と面目を保ったが、国内始動の2頭はともに馬券にからんでいない。その1頭スティルインラブは何とこの金鯱賞で8着に敗退しているのも不吉だ。だが、デアリングには「無敗牝三冠馬」という唯一無二の金看板がある。前出のジャパンカップ1着の三冠牝馬アーモンドアイ級の能力と信じたい(そのアーモンドアイは4歳初戦、海外のドバイターフを快勝)。①デアリングのここも固い! と宣したい。

祖母シーザリオの供養に勝利の花束を!

鞍上も〝マイブーム〟の松山弘平だし、父エピファネイアは、先日急死したシーザリオの仔。祖母の供養にここは勝利の花束を! おそらくデアリングの単は2倍を切るはず。次走予定の香港遠征、さらには秋の凱旋門賞も視野に入れているそうだから、ここは〝単なる通過点〟とし、強い牝馬好きのボクを良い意味で悶絶させてほしい。相手はトリガミ覚悟で5頭。東の代表でGⅠ馬の④グローリーヴェイズ、ルメール騎乗が心強い⑨サトノフラッグ、〝大魔神〟佐々木の持ち馬でチャレンジC2着の③ブラヴァスに、上がり馬⑩ポタジェ。近年、逃げ馬の活躍が目立つだけに、⑦キセキの大逃げも気になる。中山記念のように1番人気から薄めに抜けろ、と祈りたい。

映画馬券でいえば、グローリーヴェイズから『グローリー』(89年)を連想しよう。南北戦争に加わった黒人兵たちの苦闘を描き、これでオスカーを取ったデンゼル・ワシントンが熱演した力作だった。〝南北〟ならぬ〝東西〟の馬が、〝桶狭間〟ならぬ中京競馬場に集結し、覇を競う金鯱賞。西の〝女大将〟デアリングに東のグローリー、サトノがどう挑む? それともブラヴァス、ポタジェ、キセキが左右を固めて西の独占か? 馬券を離れても興味深いが、馬券も当ててこそ。このところ個人的に上昇気流だけにもう一丁!

馬券は、もちろん人馬に思い入れのある①デアリングタクトから、相手5頭③④⑦⑨⑩に馬連、3連複。再来週からのGⅠ戦線に資金温存のため、〝見物料〟の気分で、ここは少額投資に抑えたい。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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