平野紫耀 (C)週刊実話Web 
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Number_iと旧ジャニーズの『Mステ』共演は「歴史的」ではない 30年以上前から実現していた辞めジャニと現役ジャニの共演

4月12日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)2時間SPが、旧ジャニーズファン、TOBEファンの双方から大きな注目を集めた。放送後にはズレズレな考察も続出している。


この日、20th Century、WEST.(旧ジャニーズWEST)、Number_iの3組が共演。「Mステ」をめぐっては長年、旧ジャニーズ事務所のアーティストが頻繁に出演することから、「事務所を退所した=裏切り者は出られない」と、都市伝説のように囁かれていた。


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昨年にジャニーズ事務所が行った謝罪会見でもこの質問が飛び出し、東山紀之氏、井ノ原快彦ともに共演NGを否定し、逆に共演を呼びかけている。


この意向通り、元ジャニーズのNumber_iとトニセン、WEST.が共演し、トークまで繰り広げた今回は「歴史的共演」「前例のない出来事」などと話題に。有識者たちも、様々な感想やコラムを世に出した。


しかし、よく調べると〝一方面からの見方〟で書かれたにすぎない面がある。


「『Mステ』は公式サイトで過去の出演アーティストを全て公開し、データベースから検索できるようになっている。これを使うと、ジャニーズ退所者と現役ジャニーズが、過去に何度も共演していることが分かります」(テレビ番組ライター)


実際に調べてみると、1992年11月27日の放送では、当時ジャニーズ所属だった近藤真彦が野村義男と共演。野村は90年に退所・独立、当時はコンポジラという個人事務所所属であり、今回でいう「歴史的共演」は、すでに30年以上前からあったことが分かる。

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さらに幅を広げると、1997年8月8日、TOKIOの長瀬智也がソロで出演した回に、元シブがき隊の本木雅弘が出演して『夏の雪』を披露。翌97年9月19日には、元ジャニーズの反町隆史が『Forever』を歌い、デビューしたばかりのKinKi Kidsと共演している。

反町はその年の12月26日に『スーパーライブ』にも出演し、翌98年4月24日にもキンキと共演。1年で3回も「退所者と現役」が共演しているのだ。


ここまで来てもなお都市伝説にこだわり、「どれも四半世紀以上前のこと」と怒る人もいるかもしれない。しかし近年の例でも、2021年2月5日にMY FIRST STORYのHiroが本名の森内寛樹として番組に出演。しかも共演したのは、彼とJr.時代の在籍が被る関ジャニ∞だった。


これらの情報はすべて番組公式サイトから検索できるデータベースによるもの。しかも一例であり、元ジャニーズの郷ひろみ、日高光啓のいるAAAに関しては、幾度となく当時の現役ジャニーズと共演している。


確かに、諸星和己、田原俊彦、新しい地図など、退所後に「Mステ」へ出演していない例もある。しかし、同時に「辞めても出ている人間」は大量にいるわけで「辞めたら出られない」に関してはデマと断じていいだろう。


そもそも、他のアーティストだって出られる人と出られない人がいて、「元ジャニーズなら辞めても無条件で出せ」「出さないのは忖度」と言うのは不公平なキャスティングだろう。結局「元ジャニーズ」というブランド力を重要視しているわけで、これこそ彼らが最も問題視している忖度である。


芸能界の風向きが変わってきているのは確かだが、歴史修正主義には加担したくないものだ。