(画像)Andy Gin/Shutterstock 
(画像)Andy Gin/Shutterstock 

日本が導入する「トマホーク」は北朝鮮の“極超音速ミサイル”に対抗できるのか

北朝鮮が極超音速ミサイル「火星16型」の発射実験を4月2日に行った。


岸田文雄首相の訪朝が話題になる中での実験断行は、まさに〝挑発〟と言うしかないが、その一方で日本が米国から導入する敵基地攻撃能力を有した「トマホークミサイル」が、これに対抗できるかが注目されている。


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外信部の記者が言う。


「北朝鮮が発射した『火星16型』はミサイルから分離した後に、マッハ5(音速の5倍)以上の速度で飛行する新型の『極超音速滑空弾頭』を搭載したもので、一般的な弾頭より低空かつ変則的な動きで飛ぶ兵器です」


このミサイルは、高度約101キロからいったん下降し、72キロまで再上昇する不規則軌道を描いた末に、約1000キロ先の日本海に落下した。


「日本が配備しているPAC3(パトリオット)では迎撃不可能。そこで、導入が決まっている米国製新型ミサイルでの防衛が注視されているのです」(同)

導入開始を1年前倒し

日本政府がすでに購入の契約を締結している米国製巡航ミサイル「トマホーク」は、敵基地攻撃能力を持つハイテク兵器。当初は最新型の「ブロック5」400発を2026年度から2年間で導入する予定だったが、400発中、最大200発を旧来型の『ブロック4』とすることで導入開始を1年前倒しした。

その要因は、度重なる北朝鮮のミサイル実験と台湾有事に対する危機感だと伝えられる。


しかし、これが対抗策となるかは依然として未知数だ。


軍事ジャーナリストが解説する。


「北朝鮮外務省の傘下機関は『日本がトマホークによって軍事大国化を目指している』『周辺国を射程圏に入れる長距離ミサイルの確保を進めている』などと批判しているが、攻撃をいち早く察知して敵基地を先に叩くことができれば防御できる」


ただ、やっかいなのは、北のミサイルが「移動式発射台」であることや、液体燃料と違って注入作業が不要な「固体燃料」を採用しているため、〝発射の兆候〟が分かりにくいことだという。


〝先制攻撃〟で防衛できるか、それとも…。日本と北朝鮮の間の緊張感は一段と高まりそうだ。