小池百合子 (C)週刊実話Web 
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小池百合子・自民VS泉房穂・立民「都知事選」と「総選挙」の“七夕W決戦”が急浮上!

東京都の小池百合子知事が4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙に出馬しないことが固まり、7月7日投開票の都知事選で3選を目指す公算が高まっている。


ところが、政権運営に行き詰まりを見せる自民党内では、これが原因で都知事選と同日に衆院選を行い、小池氏と連携する策が急浮上。対する立憲民主党は、都知事選に泉房穂・前明石市長の擁立を検討中で、俄然〝七夕ダブル選挙〟が現実味を帯び始めているのである。


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自民党は4月4日に開かれた党紀委員会で、裏金事件に関係した安倍派、二階派の国会議員ら39人に対し離党勧告、党員資格停止、党の役職停止などの処分を決定した。


だが、処分リストに党の最高責任者である岸田文雄首相の名前がないことが分かると、党内からは不満が噴出。安倍派座長を務めてきた塩谷立・元文部科学相などは「独裁的・専制的な党運営に断固として抗議する」と記した弁明書を執行部に提出し、党内ガバナンス(統治)が崩壊の一途をたどっている有り様だ。


自民党の閣僚経験者がこう語る。


「こんな状態で衆院選は戦えない。3つある4月補選のうち唯一候補者を立てた島根1区ですら勝てそうもなく、不戦敗を含め全敗する可能性は高い。もはや党内からは、岸田首相では政権運営が持たないとの声も飛び出しているのです」


首相は補選で全敗すれば解散はできないと判断し、一時は「4月解散」も模索したが、これに公明党が猛反発。自民党の麻生太郎副総裁も反対したため早期解散の引き金を引けなくなったが、そこで浮上しだしたのが7月の都知事選と衆院選のダブル選挙なのだ。


「補選で全敗しても議席減を最小限に抑えるには、小池都知事とタッグを組むしかないという認識は、今や自民党議員共通のものとなりつつある。おかげで6月の国会会期末解散・7月のダブル選挙が叫ばれ始めたが、ある新聞社とテレビ局はすでにこれを想定し、取材態勢を整えつつあると噂されているほどなのです」(自民党ベテラン議員)


ただ、自民党がこうした動きを見せ始めたのも、無理もない話と言える。


今年1月に萩生田光一前政調会長の地元、東京・八王子で行われた市長選では、自公推薦候補の応援に小池氏が駆け付け、何とか勝利を収めた。また、昨年12月の同・江東区長選で自民党は小池氏が擁立した候補者に相乗り。推薦に回り勝利を収める形を整えたが、もはや小池氏なくして同党は立ち行かない状態に陥っているのだ。


「そのため、連携してのダブル選挙が実現すれば、何もしなくても都知事選3選が確実視されている小池氏は、全国の自民候補の応援に駆けずり回ることになるはず。加えて日本維新の会は公明党の現職がいる大阪・兵庫の6選挙区に候補者を擁立予定で、公明党は関西で全敗するともいわれている。都議会で公明党と良好な関係を築く都民ファーストの会の特別顧問である小池氏は、公明候補の応援にも走り回ることが予想されます」(政治部デスク)


自公候補の応援に八面六臂で飛び回るとなれば、岸田首相のお株を奪うことは必至だが、自民党議員らはこの小池氏先導のダブル選挙を熱望しているのである。

立民もダブル選に虎視眈々

これに対して「首都決戦で小池氏が都内を不在にすることが多いなら、ある意味チャンス。勝ちにいく」と鼻息が荒いのは立憲民主党の幹部だ。実は、同党は都知事選候補として前明石市長・泉房穂氏の擁立を検討しているからだ。

泉氏は昨年7月の兵庫県三田市長選、9月の岩手県知事選、東京都立川市長選、10月の埼玉県所沢市長選で応援した候補がことごとく当選し、「当選請負人」の名をほしいままにしている。


また最近では国民の負担軽減を旗印とする「救民内閣」構想を主張し、新党結成の噂も絶えない。そのため「今では同じ泉でも、立民代表の泉健太より知名度・発信力がある」(同)と評判なのだ。


永田町関係者が言う。


「泉氏は旧民主党衆院議員時代、小沢グループだったため、今でも小沢一郎氏と頻繁に会い、良好な関係を続けている。明石市長時代には独自の少子化対策を展開し、全国平均より高い出生率を達成。同市の人口を10年連続増加させたことに加え、若かりし頃に市民団体『ピースボート』で辻元清美参院議員と一緒に活動していたのは知る人ぞ知る話だ。立民はそうした実績を持つ泉氏の擁立で、都政に殴り込みをかけようとしているのです」


ちなみに、立憲民主党都連は将来的な都知事候補として蓮舫参院議員を考えていたが、今回は擁立を見送る方針だ。


さらに、同党の都連幹事長でもある手塚仁雄衆院議員は、日本テレビ系『恋のから騒ぎ』に14期生として出演した経歴を持つ塩村文夏参院議員を擁立しようとしたが、出馬を拒否されたという。理由は「小池氏が相手では勝てるはずがなく、リスクを冒してまで出馬するメリットがない」(塩村氏周辺)からだとか。


前出の政治部記者がこう語る。


「都知事選は泉氏が相手でも、小池氏が勝つ可能性はある。ただダブル選挙の場合、小池氏が自民党候補の応援に全国を駆け回る余裕はなくなるかもしれません。それだけでも立民にとって泉氏の擁立は、価値ある戦略と言えるのです」


ここにきて、小池氏には〝学歴詐称疑惑〟も蒸し返されている。


猫の目のようにコロコロと流れが変わる政局の中、〝七夕ダブル選挙〟は実現するのか。