(画像)Ned Snowman/Shutterstock
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自民離党の世耕弘成議員が火だるまに 理事長を務める近畿大学の入学式で祝辞 “立ち位置を把握して”発言に「コントですか?」

裏金問題で自民党を離党した世耕弘成参議院議員が、近畿大学の入学式で祝辞を述べて炎上している。


4月6日、近大・東大阪キャンパスで、OB・つんく♂のプロデュースで話題の入学式が今年も開かれた。大学の理事長を務める世耕議員は、新入生約8000人の前でスピーチを行うことに。


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人工知能や宇宙の話を出しつつ、「自分がどんな役割を果たせるんだろうか、ということを掴み取っていくことが重要」「社会における自分の立ち位置をしっかりと把握をしてもらって、立派な社会人として4年後、6年後、2年後に近畿大学を巣立っていただきたい」など、新入生へエールを送った。


だがこの発言に《自分の立ち位置を把握しろよ》《面の皮の厚さだけは歴史に残る政治家》《安倍総理が新人官僚に「高い倫理観を持て」と言ったことを思い出しました》などの意見が続出している。


裏金問題で1542万円もの不記載が判明し、2日前に党から離党勧告を受けて離党している世耕議員の発言とあって、「お前が言うな」「ブーメラン」の大合唱となった。


「1月19日、世耕議員は会見で裏金問題を釈明しましたが『秘書に任せきりにしていた』などと責任転嫁しています。3月14日に出席した政倫審(政治倫理審査会)でも、『派閥で不記載が行われていることを一切知りませんでした』『なかなか、はっきり記憶が…』と語り、政治家お得意の‶記憶にない〟を連発。しかし29日には一転、『スケジュール表にも記憶にも残っていない』としていた22年3月の会合について、記者団に資料を公開して『日程表を徹底的に精査したところ…』と参加を認めました」(政治部記者)


ところが、これだけ記憶が曖昧ながら、不記載金の使途については「裏金的支出は一切確認されていない」と断言。所得扱いにして所得税を納税すべきとの指摘にも「雑所得に当たらない」「きちっと政治活動で全て使い切っている」と言い切っている。

教職員からも公然と批判される世耕理事長

今回の祝辞に《この状況下で入学式に出る方も出させる方もどうかしてる》《いくら理事長とはいえオファーする大学側もやばい》《不正で離党勧告受けてる議員が入学式の祝辞ってコントですか?》など、大学への非難すら上がる始末だ。

離党に追い込まれるほどの不祥事に加え、苦しい言い訳に終始する世耕議員が、「自分の立ち位置をしっかりと把握して」と語れば批判も当然だろう。しかし国民のみならず、身内である大学職員からの評判も最悪のようだ。


「世襲の世耕議員は、近大理事長の職も家業にしている。衆院議員の祖父・弘一氏が近大の初代理事長、伯父で元参院議員の政隆氏が2代目、父・弘昭氏が3代目であり、弟の石弘氏は大学の経営戦略本部長を務めています。いわば世耕家は〝近大の皇族〟であり、絶大な権力を握る一族として君臨しています」(教育ジャーナリスト)


創業者一族の力が強く、その強権さに下が反発するのは、一般企業でもよくある光景だろう。現在、近大はまさにこうした状況に陥っている。


「近畿大学教職員組合は、世耕一族が君臨する体制を、Xでかねてから公然と疑問視している。署名サイト・change.orgで世耕議員の理事長辞任を求める署名活動も行っており、目標5万人に対して、9日時点で4万1000人を突破しています。文芸学部の藤巻和宏教授も、『政治家としての不誠実な態度は理事長職の適性を欠く』などと批判。入学式の会場周辺では、『理事長にふさわしくない』などと書かれたビラが配布されており、人望は皆無です」(同・ジャーナリスト)


世耕議員は入学式スピーチを「近畿大学は全ての力を、教職員が結集していくことをお誓い申し上げまして、お祝いのごあいさつとさせていただきます」と締め括ったが、内情は結集どころではないのかもしれない。