(c)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved. 
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LiLiCo☆肉食シネマ~『異人たち』/4月19日(金)より全国ロードショー

監督/アンドリュー・ヘイ 原作/山田太一『異人たちとの夏』(新潮文庫刊) 出演/アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイ 配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン


話題の韓国映画『ビニールハウス』とテーマは全く別なので比べることはできませんが、この『異人たち』は今年1年、強く心の中に棲みついていることは間違いない。


作品を見た後、感想を言おうと思っても涙が溢れて喋ることができません。申し訳ないけど、平たく言わせてもらえれば「見ないとダメ」な作品です。


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なかなか映画に対して言えない言葉ですけど、頑張って生きている皆さんに絶対に響くはずです。


この映画を見て思い出したのは、一般社団法人『オセッカイダー』代表としても有名で、NHK番組『バリバラ』などでご活躍のレモンさんがいつも言っている「おせっかいは命を救える」。読者の皆さんの中に差別や偏見を持つ方はいないと信じていますが、この作品の宣伝ポスターだけで、〝同性愛の映画?〟と思い込んで見るのをやめたら、当たりの宝くじを捨てたのと同じです。


これは、家族の愛の物語です。


亡くなった身近な人と、もう一度会えたら、何を話したいですか?


最初はなかなか流れが分からなくて、なんだか違和感を感じました。でも、だんだん家族愛に満ちた、とんでもなく素晴らしい物語であることが分かっていきます。


そして、〝なるほど!〟と思った瞬間、もう涙が止まりませんでした。

自分の人生を生きるんだ

ある夜、主人公のアダム(アンドリュー・スコット)のもとに、同じビルに住むという男性ハリー(ポール・メスカル)が訪れ、部屋に入れてくれと言ってきます。

いきなり他人を部屋に入れるのは嫌だと言うアダムは、12歳のときに両親を亡くしてから孤独に暮らしてきたため、人と関わることが得意ではない。


そんなある日、アダムが両親と住んでいた家を訪れると、そこには両親の姿が!?


ここから不思議なところに物語が飛び…おや?となってから…はい、これ以上言いたくないです。


ほぼ4人しか出てきませんが、あまりにも優れた演技力で、今後、他の作品で彼らを見ても、この作品のことを思い出してしまいそう。


たとえ両親と仲が良くなくても思う所はあります。主人公の気持ち、そして子に向ける両親の気持ち。エンドロールが流れた後も、私の心の中に、この作品が生き続けています。


私は、今も元気で暮らす家族に連絡したり、最近会っていない友人の声が聞きたくなって電話をしました。


生きるんだ。自分の人生を生きるんだ。涙が止まりません…。
LiLiCo 映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。