(画像)sakkarin sapu/Shutterstock
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教職者の“性暴力防止法案”に意外な盲点「犯行の舞台が変わるだけ」

政府は、学校や児童養護施設、保育所などの事業者に従業員らの性犯罪歴の確認を義務付ける「こども性暴力防止法案」を3月19日に閣議決定した。


同法案は、イギリスで導入している前歴開示や性犯罪歴を確認する「DBS」という制度が基盤となったもの。今後、この法案が成立すれば、子供と接する事業所が職員採用の際、こども家庭庁のシステムを通じて対象者を照会することが義務付けられるという。


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閣議決定の背景を司法記者が解説する。


「以前から教育者による性加害は多かったが、近年は未成年者らが盗撮やわいせつ行為、デジタルタトゥー(ネット上にさらされた卑猥な画像や個人情報が拡散され、半永久的に残ること)の被害に遭う件数も増えている。こうした犯罪の増加、再発を防ぐために法案が作成されたのです」

学校や塾からは追い出せても…

実際、教育関係者の〝乱心ぶり〟は枚挙に暇がない。

昨年8月には12人の女子児童の下着姿を盗撮し、個人情報をSNSで流出させた中学受験塾大手『四谷大塚』の元講師が逮捕され、今年3月に保護観察付き懲役2年、執行猶予5年の判決を言い渡された。


同じく昨年2月には、13歳未満の女児を自宅に連れ込み、10~15回も性行為やわいせつ行為に及んでいた元小学校教諭も逮捕され、のちに懲役5年6カ月の実刑判決を言い渡されているのだ。


そのため、前科をあぶりだす法案の成立に「ロリコン教師を排除できる」と期待が高まる一方、危うさを指摘する声も。


「実は海外機関の研究によれば、子供に性的魅力を感じる者は人口の約5%に上るというデータもあるそうです。教育関連の事業所からは小児性愛者を排除できても、この手の犯行は再犯率が高く、『犯行の舞台が変わるだけ』との見方もある」(同)


初犯の抑止力になるかどうかを疑問視する声もあるというだけに、問題の根本的な解決策は見えてこない。