(画像)GAS-photo/Shutterstock 
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北朝鮮の核実験が引き起こす「白頭山噴火」と「大地震」の不気味な予兆

北朝鮮による過去6回の核実験が、ほとんど地震のなかった朝鮮半島を揺らし始めている。


「韓国気象庁の『2023年の地震年報』によると、核実験場のある豊渓里付近での地震回数が、2022年の3倍以上に増加。専門家らも『マグニチュード3.0以上の地震の数は増加し続けており、今後はマグニチュード4.0以上の大地震も発生する可能性がある』と指摘しているのです」(韓国紙東京特派員)


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日本列島と違い、朝鮮半島は「地震が起きない」ことで知られているが、中朝国境の北朝鮮咸鏡北道吉洲郡では、6度目の核実験後、一帯でマグニチュード2.6〜3.2規模の地震が頻繁に起きている。


国連傘下の「包括的核実験禁止条約機関準備委員会」も核実験と地震の因果関係を認めているほどだ。


「実際、東日本大震災が発生した2011年以前までは小さな地震が月に1〜2回程度しか観測されていなかったのですが、11年以降は多い月で300回以上も起きており、規模もマグニチュード3〜4に上昇しています」(同)


6回の核実験では、核爆発を重ねる度に核能力も発展。06年10月に1回目の核実験を実施した際の爆発規模は、1キロトン以下でマグニチュードは4.1だったのが、6回目の17年9月に使用された核爆弾は広島に投下された核爆弾の10倍以上、爆発規模は160キロトン、マグニチュード4.4を記録している。


「朝鮮半島唯一の活火山である白頭山(標高約2744メートル)は、豊渓里の核実験場から130キロしか離れていません。東日本大震災が日本と朝鮮半島の地盤に影響を与え、度重なる核実験が白頭山の火山活動を誘発させるのではないかと懸念されています」(同)


05年の時点で撮られた映像では、白頭山の地下にマグマが溜まっていることや、地下から噴出するマグマによるガスで白頭山の樹木が枯死していることも確認されていたという。


すでに現れていた「噴火の予兆」に加え、核実験を繰り返したことで危険性が高まっているのだ。


「過去、白頭山は巨大噴火を繰り返しており、946年に噴出した大量の火山灰は、偏西風に乗って東へ飛来。日本でも、北海道と東北地方で5センチも降り積もりました。もし近い将来、10世紀と同規模の噴火が起これば、山麓にある北朝鮮と中国東北部は大量の噴出物によって壊滅的な被害を受けるでしょう」(火山噴火予知研究センター関係者)

白頭山から鳥や動物が逃げ出した!?

不気味な予兆はまだある。

最近、白頭山から鳥や動物が大量に移動しているのが目撃されているのだ。このため、「動物たちは天変地異が起きることを察知しているのではないか」と、中国東北3省の住民の間でも不安が広がっているという。


「噴火が起これば、頂上にあるカルデラ湖からは20億トンもの水が流れ出し、大規模な洪水が襲う恐れもある。遠く離れた韓国と日本でも降灰に伴う災害が起きます」(同)


韓国・釜山大学が15年にまとめた白頭山噴火による影響のシミュレーションによると、噴火の時季や規模にもよるが、最も大きな噴火の場合は36時間後に韓国のほぼ全域が火山灰に覆われ、日本でも中国地方を中心に1センチ以上降り積もるとみられている。


「韓国は白頭山を監視するため、すでに1億円を投じて南北境界線付近に音波観測所を設置。また、大連や瀋陽など中国東北部地域5カ所から地震情報の提供を受けることで中国側と合意しています」(同)


しかも、東アジア最大の地震観測所を持つ韓国地質資源研究院は、「北朝鮮が7回目の核実験を強行すれば、大地震が発生する可能性がある」とも予測しているのだ。


「そうなると、東アジアは世界の半導体の大集積地ですから、間違いなく地球規模の経済的打撃が起きます」(北朝鮮ウオッチャー)


中国も、北朝鮮の核実験強行で呼び起こされる天災、人災に神経を尖らせている。


「実は、北朝鮮の過去6回の核実験で放射性物質が検出されたのは1回目と3回目だけです。残りの4回の核実験後、キセノン131、キセノン133などの放射性物質は検出されていない。その理由は、北朝鮮の山脈が強固な岩から成り立っているため、放射性物質が外部に流出するのに時間がかかるからだとされています。ただ、北朝鮮が7回目の核実験を実施した場合、過去6回の核実験で蓄積された核物質が一気に表面化し、北朝鮮と国境を接する中国の広範囲が放射線で覆われる危険性もあるのです」(外交関係者)


恐ろしいデータもあるという。


「韓国統一部が、北朝鮮の核実験場の近くに住んでいた脱北者を対象に放射線被曝調査を実施したところ、対象者の20%に染色体異常が見つかったそうです」(同)


中国の懸念は非常に現実的だ。


「金正恩総書記が核実験をチラつかせ、または長距離ミサイルを発射すればするほど、中国側を刺激する。北朝鮮の『中国離れとロシア傾斜』に習近平国家主席がイラついているのも確かですが、もし北朝鮮が7回目の核実験を強行すれば、中国は〝何らかの鉄槌〟を下すかもしれません」(同)


北朝鮮は、正恩氏の父・金正日総書記が白頭山で生まれたという神話を捏造し、聖地化している。


このことから金一族を「白頭山血統」と北朝鮮の人民に崇拝させているが、この聖地は日本や中国にとって極めて危険な存在といえそうだ。