間宮祥太郎の主演映画『変な家』が大ヒットしている。一部の映画好きはヒットに首を傾げているが、なぜここまで成功したのだろうか。その秘訣は巧みなソーシャルメディア戦略にあったようだ。
映画『変な家』は、ホラーライターでYouTuberの雨穴が生み出した小説やYouTube動画を基に実写映画化。3月15日に公開され、国内映画ランキング(興行通信社調べ)で初登場1位を獲得した。
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その勢いは鈍ることなく、4月1日発表の映画ランキングで3週連続1位を獲得したことがわかった。累計動員は207万人、興行収入は26億円を突破し、大ヒットを記録している。
しかし公開当初は、原作と異なる描写が多く見られることなどから、厳しい批判が集まっていた。なぜ評判とは裏腹に、大ヒットしたのだろうか。
「原作は想像を掻き立てるような、会話を中心にした不気味な展開が人気に繋がっていました。しかし映画は露骨なホラー描写が追加されており、悪く言えばチープな作りになっています。その露骨な描写こそが、ヒットに繋がったのもしれません」(映画ライター)
原作ファンからはボロクソに叩かれており、賛否を招いている。主要な映画レビューの結果は以下の通りだ。(4月3日時点)
映画.com 全300件
☆5:5%、☆1:16%、最多☆3:32%
得点☆2.4Yahoo!JAPANレビュー 全1317件
☆5:17% 最多☆1:24%
得点☆2.8Filmarks 全1万1200件
☆4.1~5.0:5%、☆1.0~2.0:12%、最多☆3.1~4.0:49%
得点☆3.1
「作品の映画的評価が、興行収入に直結するとは断定できません。ヒットしていてもつまらない映画もありますし、ヒットしていなくても面白い映画は山ほどあります。ただ『変な家』に限っていえば、映画的に評価されているとは言いがたい」(同・ライター)
『変な家』の観客マナーが最悪だと話題に
漫画『GANTZ』などの作者として知られる奥浩哉は、自身のXに《変な家、春休みの中高生満席状態に1人おじさんが混じって観た。うん。俺が場違いだった…中高生向けの映画だった…》と投稿している。
「奥さんのポストは、まさに的を射ています。『変な家』はティーン向け映画と言えるでしょう。観客のターゲットは、春休みの小中高生。累計動員207万人で、一般料金が約2000円だとすると、40億円を突破していることになります。つまり鑑賞料金の安い客年層が劇場へ足を運んでいるということです」(同)
若者向けの人気バロメーターであるTikTokでも、『変な家』は人気だ。フォロワーは7.7万人。キャスト陣による宣伝動画やオフショットが数多くアップされ、多くの「いいね」が獲得している。また、YouTubeにアップされた75秒の予告動画は288万回再生を記録するなど、若者にバズっていることがわかる。
映画業界の未来は明るいようにも思えるが、鑑賞マナーの悪さが問題になっている。
ソーシャルメディアには《中高生がガヤガヤうるさくて集中できなかった》《いたる所から喋り声、笑い声が聞こえたし、隣の子がスマートウォッチ光らせてたのに隠しもしなかった》《客層中高生で、しかもほぼ満席だったからなのか、映画始まって5秒後まで館内うるさかった》《中高生集団のマナーが最悪でしたね、年齢層が低めの映画とはいえ》といった苦言が殺到している。
また、男子中学生らしき観客が館内にゴミをばら撒き、放置したまま帰ったという写真付きの投稿も見受けられた。
ここ最近、映画業界は無くなると言われ続けてきた。『変な家』のヒットは様々な意味で業界の未来を変えるかもしれない。
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