警察庁の委託を受ける『インターネット・ホットラインセンター』(IHC)が、2023年に犯罪情報としてネット事業者に削除要請した件数は3379件。その9割が〝闇バイト〟の募集だった。
昨年5月に東京・銀座の高級腕時計専門店に人通りの多い夕方、強盗に押し入る事件が発生。同日、住居侵入容疑で16〜19歳の少年が警視庁に逮捕された。
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「手口は稚拙かつ粗暴。反社組織が募集した末端の闇バイトらによる犯行だったことから、闇バイトの募集が改めて注目されたんです」(全国紙社会部記者)
警察庁によると、2022年の1年間で、特殊詐欺に関わったとして摘発された2458人のうち473人が20歳未満だった。
摘発に至った事例としては①闇バイトに従事した者は犯行グループに『報酬は口座に振り込む』と言われたにもかかわらず、振り込まれず逮捕された②報酬を上回る金を巻き上げられた揚げ句、警察に密告されて逮捕など、都合よく利用され切り捨てられた実態が浮かび上がっている。
「犯行グループは狡猾です。本人や家族の個人情報を送信させた後、詐欺に関わることを断ると『家族全員を殺す』と脅し詐欺を強要する。広域強盗一味のルフィグループで、掛け子として逮捕された熊井ひとみ被告らがそうでした」(同)
ギャンブル、推し活、ホストで金欠
闇バイト募集に応募するケースの多くは、自らのSNSなどで「高額報酬」などと検索、SNSに「お金に困っている」と書き込むと、犯行グループから「働いてみないか。大金を稼げる仕事がある」というメッセージが届いたという。
「闇バイトに応募する若者には一様に、ギャンブルに手を出したり、アイドルの推し活、女性ならホストの推し活といった浪費癖がある。また、コロナ禍で生活苦に陥り、借金した揚げ句、返済に追われて応募する者も多く、犯罪に手を染めて逮捕され、人生を台無しにする若者が後を絶ちません。闇バイトは暴力団の資金源にもなっている。絶対に応募しないことが肝要です」(警察関係者)
不思議なのは、こうした危険性がさんざん報道されているにもかかわらず、闇バイトに応募してしまう若者たちが減らないことだ。
「高校生が起こした〝スシロー・ペロペロ事件〟もそうですが、巨額の損害賠償を請求され、いくら報道されても類似の問題動画が投稿される。理由は簡単。彼らはニュースなどを見ないからです。そもそもテレビや新聞を見る習慣がない若者も多く、自分のやっていることが、いかに重大な犯罪なのかに気づくことができないのです」(ネットライター)
テレビをつけっぱなしにしていた世代は、いやでもトップニュースくらいは目に入っていたものだが…。
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