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大地震“Xデー”西日本大震災&首都直下…NZ沖M8.1がダメ押し!?

Binaya Mangrati / Shutterstock

東日本大震災から10年。地震活動期の真っただ中にある日本では、福島沖で発生したM(マグニチュード)7.1、震度6強の大地震(2月13日)を経験したばかりである。

「今の日本列島は9世紀とそっくりだと言われています。実際、地震が発生した場所、規模も実に似通っている。818年に北関東地震が発生したことで、9世紀の『大地変動の時代』が始まると、827年の京都群発地震、830年の出羽国地震が続いた。その後、841年に信濃国地震&北伊豆地震と相次ぎ、850年に出羽庄内地震、863年には越中・越後地震が起きているのです」(サイエンスライター)

地震との連動で火山活動も活発化した。838年に伊豆国の神津島、839年に出羽国の鳥海山が噴火すると、864年には富士山と阿蘇山、そして、871年に再び鳥海山、874年に薩摩国の開聞岳が噴火しているのだ。

時間は相前後するが、869年には1000年前の東日本大震災とも言われる貞観地震が発生した。その9年後の878年には、相模・武蔵地震(M7.4)と呼ばれる首都圏の直下型大地震が関東南部を襲っているのである。

武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏が語る。

「確かに〝今の日本の状況が9世紀の日本とよく似ている〟という地震学者は多い。あの時代に発生して今起きていないのは、首都直下地震と南海トラフ巨大地震だけです。しかも、両地震とも今度は相当大きいと予想されている」

「3回に1回は桁外れに巨大な南海トラフが発生している」という地震学者もいるほどで、次に迫り来る南海トラフは東海・東南海・南海の3つが同時発生する連動型地震というのである。

阪神・淡路大震災は南海トラフ大地震の前兆!?

「南海トラフ地震の1つに数えられる慶長地震は、桁外れではないと指摘する地震学者やデータもあり、『3回に1回』というのはあまり当てになりませんが、今度起こる南海トラフはM9クラスの超巨大地震になりそうです。その意味では、東日本大震災と対峙する西日本大震災と呼べるかもしれません。ただ、被害の面では、首都圏から九州にかけての太平洋側の工業地帯を直撃するので、東日本大震災をはるかに凌ぐはずです」(島村氏)

前回の南海トラフ地震は1944年の昭和東南海地震のあと、昭和南海地震が2年のタイムラグで1946年に発生した。そして、前々回の巨大地震は1854年、同じ場所が32時間後に活動した。また、3回前の巨大地震は1707年、3つの場所が数10秒のタイムラグで活動したと推定されている。

「間違いないのは内陸直下型地震と違って、海洋型地震なので、十数年以内に必ず発生して甚大な被害を与えることです。南海トラフ巨大地震が起きる50年ほど前から、日本列島の内陸部で直下型地震が頻発するようになる。例えば、1995年に発生した阪神・淡路大震災も南海トラフ地震の前兆だと言われています」(島村氏)

一方、防災ジャーナリストの渡辺実氏は東日本大震災の震源域である北側に注目している。

「10年前は、日本海溝沿いの宮城・三陸沖で巨大地震が発生するなんて思いもよりませんでした。震災後、今度はアウターライズ地震が危ないと言われましたが、10年経過しても起こらない。つまり、震源域の北側でアウターライズ地震が発生することも考えられる。津波が発生すれば、関東や西日本にも到達するでしょう」

3月5日午前8時28分、ニュージーランドの本土から1000キロメートルほど離れた同国領のケルマディック諸島付近でM8.1の巨大地震があった。震源の深さは約19キロメートル。日本には30センチ未満の津波が達した。

気になる昨年の横浜横須賀“異臭”騒ぎ

ニュージーランドでは5日午前2時27分に北東部ギズボーンの北東175キロメートルでM7.3の地震が発生。さらに5日午前6時41分にケルマディック諸島でM7.4が起き、政府が北部や北東部の沿岸部の住民らに高台への避難を呼びかけている最中、三度目のM8.1巨大地震が発生したのだ。

「ニュージーランドと日本は1万キロメートル離れている。太平洋プレートは毎年8.5センチのスピードで動いており、それは数万年間一定です。今の地震学では巨大地震の日本への影響は分かりません。ただ、太平洋プレートは厚さ100~150キロメートルの硬い岩盤ですから、M8地震の『応力変動』は伝わりやすい」(島村氏)

結果、いつ地震が起きても不思議ではないところでは、M8.1が最後の一押しになる可能性があるというのだ。日本列島を見回してみると、最後の一押しになりそうな場所があちこちに点在する。筆頭は前述した南海トラフ=関西大震災と首都直下地震だ。

「気になるのは、昨年の横浜、横須賀などの異臭騒ぎです。岩盤が擦れ合う際に発生する異臭が南関東の広い地域で観測された。これは首都直下大地震の前兆では」(横浜市在住のフリーライター)

首都直下地震はフィリピン海プレートで起きる。太平洋プレートとの異なるプレート間で応力変動は伝わるのか。

「太平洋プレートとフィリピン海プレートは、常時、押し合っていますので、太平洋プレートの応力変動は、フィリピン海プレートにも伝わることになります。これまでの例では、警戒されていない地域で大地震が発生することもある。そのことも念頭に警戒した方がいい」(島村氏)

Xデーは近い。

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