(画像)Zbitnev/Shutterstock
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北朝鮮が“祝砲”を撃つプーチン大統領とトランプ氏の再選

3月18日、北朝鮮の金正恩総書記が、通算5選を決めたロシアのプーチン大統領に祝電を送った。


それに添える〝祝砲〟というわけではないだろうが、同日には日本海に向けて弾道ミサイル3発も発射。いずれも約350キロ飛び、日本のEEZ(排他的経済水域)の外側の日本海に落下したと推定されている。


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「北朝鮮は、ウクライナに侵攻するロシアの要請に応えて武器を供与する一方、ロシアからは軍事衛星関連のノウハウや近代兵器の情報を入手。また燃料や食料の供給を受けるなど、関係を急速に緊密化させている」(国際ジャーナリスト)


1月15日に開催された最高人民会議で憲法を改正し、韓国を「第一の敵対国」とすることを表明。武力による朝鮮半島統合に向けて檄を飛ばした正恩氏だけに、ロシアを後ろ盾に強気の行動に出る可能性も否定できない。

ロシアとアメリカをつなぐキーマンに

こうした状況下、米国ではトランプ前大統領が共和党の大統領候補となり、11月にバイデン大統領と再戦することが確実視されている。

「2019年に軍事境界線を歩いて越え、現職の米国大統領として初めて北朝鮮に足を踏み入れたトランプ氏は、いまだに選挙演説で正恩氏との関係を自慢しています。〝もしトラ〟が実現した場合、米朝の関係がどう動くか、世界の外交筋は注意深く観察しています」(同・ジャーナリスト)


トランプ氏は、北朝鮮との非核化交渉において、何の成果も出していないバイデン政権を否定する材料に使う気満々。一方の北朝鮮も、「核保有国」と認められているイスラエルやパキスタンのように扱われたいと考えているようだ。


「北朝鮮が核開発計画を放棄する可能性が極めて低くなった今、現実主義者のトランプ氏なら、核保有国としての認証に合意する可能性も十分あると正恩氏は踏んでいるようです」(北朝鮮ウオッチャー)


正恩氏は、能登半島地震に際して「遺族と被害者に深い同情と哀悼の意」を表明。岸田文雄首相にも歩み寄りを見せている。


「正恩氏にとっては、岸田首相もトランプ氏もプーチン大統領も巻き込んだ方が都合がいい。あらゆる交渉で〝ジョーカー〟として使えるからです」(外交関係者)


岸田首相は怪しいが、トランプ大統領が再選されれば、正恩氏がロシアとアメリカをつなぐキーマンにもなりかねない。


〝祝砲〟を撃ちたくなるのも当然か。