今週は『高松宮記念』を取り上げます。
《馬場傾向》
過去10年で不良2回、重3回、稍重2回と雨の影響を受けることが多い。不良まで悪化すると外が伸びるが、重くらいなら内からでも粘れる。また、昨年までは2回中京6日目で行われていたが、今年は1回中京6日目で行われるため、良馬場ならば内有利が濃厚だ。
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《ペース傾向》
不良馬場で行われた2014年は、かなりのハイペースだったが、以降は極端なハイペースにはなっていない。スタートからゴール前の坂下まで下る中山芝1200メートルのスプリンターズSほどハイペースの傾向ではなく、流れが落ち着くこともある。
《脚質傾向》
過去10年では先行馬6勝、中団馬2勝、差し馬1勝、追込馬1勝。20年には逃げ馬が優勝しているが、降着による繰り上がりによるもの。基本的には先行馬が有利。差し、追込が優勝した年は共に重馬場で、馬場悪化するほど後方馬にもチャンスが広がる。
トウシンマカオは馬場状態がカギ!
★トウシンマカオ
昨年の京阪杯では17番枠からじわっと好位馬群の直後まで上がって追走。4角で馬場の良い外に出して追い出されると、直線序盤で3列目まで上がり、ラスト1Fで突き抜けて2着ルガルに2馬身差で完勝。本馬はエンジンが掛かってからが強い。また前走のオーシャンSでは、好位の外から正攻法の競馬で完勝と本格化を感じさせた。ひと叩きされての今回は良化が見込める。ただ一昨年の京阪杯では走破タイム1分07秒2で勝利した一方、昨年の高松宮記念では不良馬場で大敗と高速決着が得意なタイプだけに馬場状態がカギ。
★メイケイエール
22年秋のセントウルSでは5番枠からやや出遅れたが、二の脚の速さで好位の中目で流れに乗る。ここでは前がペースを引き上げたことで折り合いに苦労せず、スタミナを温存できたため、好位の外から直線序盤で抜け出し、そこから突き抜けて2着ファストフォース(昨年の高松宮記念優勝馬)に2馬身半差で圧勝した。本馬は折り合いに課題はあるが、楽にGⅠを勝てる能力を秘めている。昨秋のスプリンターズSで5着と復活の兆し。近2走はダートと大きく出遅れて折り合いを欠く競馬で度外視できる。GⅠの速い流れで折り合いがつけば一発ある。
★ルガル
ダートから芝路線に転向して本格化。不良馬場で行われた昨年の橘Sでは5馬身差で圧勝し、3歳春の時点で古馬OPでも十分に通用する指数を記録した。その後は出遅れやレース中の不利が続き、善戦止まりだったが、前走のシルクロードSではGⅠ級の走りで完勝。4番枠から好発を切るとハナも厭わず前に行き、最終的には2番手。3~4角では持ったまま逃げ馬に並びかけ、直線序盤で馬場の良い中目を通して2馬身差。ラスト1Fで3馬身差まで差を広げて完勝した。今回は前走の疲れがやや懸念されるが、馬場不問タイプで大いに期待できる。
山崎エリカ
新潟県出身。類いまれな勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性競馬研究家。独自に開発した「PP指数」を基にした予想をnetkeiba.comの『ウマい馬券』で掲載。おもな著書に『全106コース対応 山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)。公式X(旧ツイッター)=@_yamazaki_erika.
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