花見や歓送迎会で酒を飲む機会が多くなるシーズンを迎えたが、酒好きには「注意」が必要な時期でもある。
泥酔した揚げ句、路上や電車内で寝てしまい、財布やスマホなどを盗まれる被害が続出しているのだ。
警察庁によると、寝込んだ人から財布やスマホなどを盗む〝仮睡者狙い〟の昨年の被害は全国で3215件発生し、前年の2507件から708件増。行動制限を強いられなかったコロナ禍前の4177件(2019年)に近づいているという。
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「こうした〝仮睡者狙い〟の被害は、コロナが感染症法上で5類に移行した昨年5月以降に多発している。都内のターミナル駅周辺では、終電を逃した酔った人の被害が相次いでいます」(警察関係者)
手口は巧妙。介抱を装って声を掛けながら、洋服やカバンの中を物色し、短時間で財布やスマホ、パソコンなどを持ち去る。
「気がついたときには記憶がほとんどないから、犯人も捕まらないケースが多い」(同・関係者)
実際に被害に遭った40代の出版関係者の話。
「東京・渋谷で久しぶりに大学時代の友人3名で飲んだんです。酒は強くないんですが、話が弾んでビールをジョッキで2杯、ウイスキーのハイボールを4杯…友人らと別れた後、気がついたら渋谷・道玄坂の路上で寝てしまっていた。2万円が入っていた財布と、カバンの中にあったパソコンが盗まれていましたよ」
路上で寝て車にはねられる事故も
路上で寝込むリスクは盗難だけではない。
昨年11月には、東京・大田区で飲酒後に路上で寝ていた男性(31)が乗用車にはねられて死亡した事故が発生。こうした「路上横臥」による昨年の交通事故死亡者は都内で12人、重軽傷者は31人だった。
「酔って電車内で眠ってしまった際の盗難も続出しています。昨年6月には、山手線電車内で酔って寝ていた30代の男性が100万円相当の高級腕時計ロレックスを盗まれた。防犯カメラは隣に座った男がわずか1、2秒で男性の左手首から腕時計を外して電車を降りる姿を捉えていた。警視庁は、この男ら2人を今年1月に窃盗容疑で逮捕しました」(全国紙社会部記者)
いずれにせよ、「酒は飲んでも飲まれるな」を肝に銘じておくべきだ。
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