日野美歌 (C)週刊実話Web
日野美歌 (C)週刊実話Web

『美女ざんまい』歌手/日野美歌インタビュー~カップ酒で花見をしていたらニュースに出ちゃった!?~

♪飲ませて下さい もう少し で始まる『氷雨』は昭和歌謡の定番中の定番。競作ではあったが、最も印象に残っているのは日野美歌の歌唱ではないだろうか。


その後も『男と女のラブゲーム』など多くのヒット曲を持つ日野は、3月末と4月に控えた3回のコンサートに向けてフルスロットルで準備中だ。


【関連】『美女ざんまい』女優・タレント/小松みゆきインタビュー~49歳で初産を経験した元グラビアクイーン~ ほか

桜の季節のコンサートは、コロナ禍中も途絶えることなく続けてきたという日野。その強い思いと、ベイスターズファンで知られる彼女に〝ベイ愛〟についても聞いた。


――今回、事務所を訪れて驚きました。横浜スタジアム(DeNaベイスターズの本拠地)の真横じゃないですか!? やはり、ベイファンだからなんですか?


日野 いいえ、順番は逆なんです。実は離婚や事務所の独立をきっかけにして最初は元町(横浜市)の方に住んでいたんです。でも、坂が多くてだんだんしんどくなってきたんですね。山を下りたいなと思い、ここに越してきたのは2012年。球場が目の前にあることなど、特に意識はしませんでした。野球なんて、全く興味がなかったから。でも、シーズンになると歓声が聞こえてきて、テレビをつけるとそれが実際よりも数秒遅れで放送されるんです。その面白い臨場感が味わえたり、夏になると球場に隣接する公園でビアガーデンが開業するんですが、大型ビジョンで観戦しながら飲むビールは格別においしいんですよ。


――まさに、生音声付きのライブビューイングですね。


日野 野球のことはよく分からないけれど、みんなが楽しんでいる雰囲気が気に入りました。そのうち、知り合いのツテでベイファンが集まるスポーツバーに連れて行ってもらい、そこで関根大気選手(外野手)のお母さんと知り合ったんです。息子さんのことを一生懸命応援する姿を見て、先にお母さんのファンになっちゃいました。それからですね、一緒にユニフォームを着て盛り上がるようになったのは。


――個人的に親しい選手や関係者はいらっしゃるんですか?


日野 それが、三浦(大輔)監督を始め、まだどなたともお会いしたことがないんです。どこかでご縁ができて、始球式とか国歌斉唱とか、お呼びがかかればうれしいなと期待しています♪


――YouTubeでは、ベイスターズの応援歌を流してらっしゃいますよね?


日野 そうなんです。何十人ものベイファンに協力してもらい、ミュージックビデオを作りました。タイトルは『パラダイス倶楽部ベイスターズ応援Ver.』。もともとある歌の替え歌なんですが、その中では私が初めてバットを振るシーンがあるんです。野球音痴の私はそれまで、「サッカーに比べたら運動量も少ないし、それほど大変じゃないのでは?」と思っていたのですが、バットの重さにビックリ。振るときのエネルギーはすさまじいですよね。今さらながら認識を新たにしました(笑)。


日野美歌 (C)週刊実話Web 

――お父様が19年に亡くなられたそうですね。


日野 12月でした。ちょうどコロナのニュースが出始めた頃で、こじんまりとした会場でやればいいかなと思っていたのですが、訃報を聞いた方から葬儀屋にバンバン電話が来て、弟が慌てて「もっと大きなところでやらなくちゃ」って。父は元国鉄の職員で、「国鉄のうたごえサークル協議会」創立者の1人だったんです。そして、母は電電公社の合唱団に所属。その関係で多くの方が弔問に訪れてくださいました。それはそれは盛大なお葬式で、みなさんの合唱で見送られていきました。その翌々年、老人ホームに入っていた母も他界したんです。コロナ禍の真っ最中に立て続けに両親を亡くした翌年(22年)が40周年ということになってしまいました。


――そうすると、コロナの最中は、ひたすら忍耐という感じでしたか?


日野 予定されていた仕事が全部飛んでしまい、途方に暮れましたが、何もしないのは違うなと思い、長年続けてきた桜の季節のコンサートだけはどうしてもやりたかったんです。時期はズレてしまいましたが、20年は8月に、以降も様子を見ながら細心の注意を払って1回も途切れることなく続けてきました。そういう、乗り越えた思いを託した『明けの明星』という曲がNHKの『ラジオ深夜便』で「深夜便のうた」に選んでいただけたりして(22年4~5月)、うれしかったですね。


――作詞作曲もされる日野さんですが、桜への思いが強くなったきっかけは?


日野 桜を歌った曲は7曲ほどあるのですが、そのインスピレーションは実際にお花見をして得ています。日本で最初に咲く河津桜が大好きで毎年訪れるのですが、本当に曲が降りてくるんです。その都度、コソコソと隠れてアイフォンに録音して…みたいな。今春も行きましたが、そこでちょっとしたハプニングがあったんですよ。


――それはどんな?


日野 わさび漬けを舐めながらカップ酒をチビチビ飲んでいたら、NHKのニュース番組取材班にインタビューされちゃったんです。


――素人の方として?


日野 はい。迷いましたねぇ。スタッフの方は若そうだし、私のことを知らないのかも。インタビューを受けても別にいいんだけど、このままニュース番組に出てしまうのも〝暇なのか!?〟と思われはしないだろうか…って。そこで「あの、私は日野美歌と申しまして、歌手を…」と話したら、カメラマンの男性が「失礼しました」って。宿に帰り、夕方のNHKニュースを見たら早速放送されていたのですが、親子連れがインタビューされてる画面の隅っこで、私がカップ酒を飲んでるのも映ってました。それはそれで複雑な気持ちでしたね(笑)。


――3月31日に、恒例の桜の季節のコンサート『桜の宴』(横浜市中区シャノアールにて)が行われますが、見どころと聴きどころを教えてください。


日野 ステージには毎回、本物の桜の木を生けています。それをご覧いただけるのが一つのポイント。桜を歌った歌はもちろん、『氷雨』のボサノババージョンなどもお披露目する予定です。4月13日と21日には別会場で、ピアノ伴奏だけのコンサートを予定しています。よかったら会いに来てくださいね。
日野美歌◆ひのみか 1962年12月21日生まれ。神奈川県鎌倉市出身。82年『私のあなた』でデビュー。鎌倉エフエムにて『MIKANOVA』(毎週金曜23:00~)放送中。X(旧ツイッター)@MicaHino