来年4月13日開幕予定の「大阪・関西万博」には、何かと批判が絶えない。
会場建設費が当初試算の1250億から約2倍に膨れ上がったのを筆頭に、大会PR大使のダウンタウン・松本人志の性的強要報道による活動休止。今年に入ってからは能登半島地震の復旧・復興を優先する「延期論」など、まさに踏んだり蹴ったり。
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〝呪われた万博〟とまで揶揄されているが、ここにきて致命傷とも思える新情報が飛び込んできた。
大阪万博で海外各国が独自に建設する「タイプA型」のパビリオン建設が、開催までに間に合わない見通しの国が数多く出てきているというのだ。
「A型パビリオンを予定している国は約60カ国に上る。ところが、これまで着工に必要な行政手続きが済んでいるのは、シンガポール、サウジアラビア、アイルランドなど7カ国で残りは不透明な状況です」(万博協会関係者)
この関係者によれば、7カ国を除く20カ国くらいは何とか間に合ったとしても、あとは突貫工事をしても開幕までに工事が終わらない可能性が高まっているという。
「それを象徴するかのように、中国はパビリオン完成予定日を開幕日と同じ2025年4月13日と記載しているほどです」(同・関係者)
大きな建設資材を搬入できない
また、パビリオン建設をめぐって、新たな問題も発生している。
「日本建設業連合会の会長で清水建設会長の宮本洋一氏が、2月末の会見で『万博のシンボルの〝大屋根リング〟が完成したら、遅れている各国のパビリオン建設に支障が出て、さらに工事が遅れるのでは』との懸念を表明したのです」(在阪府政担当記者)
万博の大屋根リングは、総工費350億円をかけ、会場周辺をぐるりと1周(約2キロ)する世界最大級の木造建築物だ。
高さは最大で20メートル。工法には柱と柱に木材を貫通させ、地震に強い建築物にする貫工法(ぬきこうほう)という日本伝統の技が使われる。
この工法は、日本の神社仏閣などの建築に使用され、人の手による緻密な作業が必要で手間暇もかかるが、関係者の努力で大屋根リング工事は着々と進み、今秋には完成予定だ。
建設業関係者が、宮本会長の懸念を代弁する。
「万博会場を取り巻くように建てられる大屋根リングが、建設が遅れているパビリオンより先に完成すればどうなるか。パビリオン建設資材を搬入する大型車などのルートが塞がれ、作業も制約されるわけです。かといってパビリオン完成後に大屋根リング工事では、万博開幕日までのリング完成はとても無理」
次から次に難題が持ち上がる万博。旗振り役の大阪府・市や日本国際博覧会協会はどう対応するつもりなのか。
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