3月19日に開幕するセンバツ甲子園大会だが、難題は新型コロナウイルス対策だけではない。「地域の対抗色」が薄れてしまったことも問題となっている。
甲子園球場のある兵庫県の井戸敏三知事が2月27日の全国知事会オンライン会合で、センバツ甲子園についても発言。「(屋内球場の)ドーム型と(屋外の)オープン型は違う」と述べ、屋外イベントの上限は会場定員の50%にして、観客1万人以上の大会が開催できるよう求めた。
また、感染防止策について、他知事らに改めて説明。吹奏楽部の応援はNGとなったが、球児の家族や学校関係者のほか、限られた範囲だが高校野球ファンの入場も容認される方針だ。
しかし、問題は、肝心の対戦カードである。
抽選会が行われたのは2月21日。感染防止のため、オンラインによる抽選となったが、驚きの結果を招いてしまった。同一地域、系列校、21世紀枠同士、地区決勝の再戦という、〝潰し合い〟のような対戦カードばかりなのだ。
「2日目に東海大相模(神奈川)と東海大甲府(山梨)の系列校対戦があり、4日目には同じ近畿地区の大阪桐蔭と智弁学園(奈良)が初戦で対戦します。両校は昨秋の近畿大会決勝で対戦済み。同地区だと、福岡大大濠と大崎(長崎)なんて試合も…」(スポーツライター・美山和也氏)
入場料1人1500円近い値上げ…
東海大系列校の対戦に、OBでもある巨人の原辰徳監督は複雑な心境を語っていた。また、実戦経験が少ないまま大会に臨むことになるセンバツは「投手優勢」の傾向があり、その視点で見ると、大会2、4日目にヤマが集中してしまった感がある。
他にも、市和歌山の小園健太投手はプロ注目、それもこの時点でドライチ候補とかなり高い評価を付けられている。対戦する県岐阜商は鍛冶舎巧監督を迎えてから強打の印象が強い。だが、勝ったほうが大阪桐蔭と智弁学園の勝者とぶつかることに。
「左右のエース投手を擁する大阪桐蔭に対し、智弁は試合巧者。近畿大会は智弁に軍配が上がりました。市和歌山が勝ち上がれば、また近畿勢同士の対戦となります」(同)
ITのイタズラか…。そんな潰し合いの試合ばかりだからか、「入場料1人1500円近い値上げ。検温機器ってこんなに高かったっけ?」の声も出始めた。
センバツはグラウンド外でも大波乱となりそうだ。
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