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『鬼滅の刃』アジア地域でブーム終了の気配 映画『絆の奇跡、そして柱稽古へ』人気格差が世界で拡大中

鬼滅の刃単行本
鬼滅の刃単行本 (C)週刊実話Web

映画『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』の公開が世界各国で始まった。各地域の興行収入を見ると、日本やアジアと北中南米や欧州圏で大きく異なっているようだ。

ワールドツアー上映と題し、アニメ第3期「刀鍛冶の里編」最終話と、今春放送の第4期「柱稽古編」第1話を4Kアップコンバート。物語を劇場で一足先に楽しめる。


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上映館数は前作のワールドツアー上映『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』から、国内では418館から427館に拡大。2月2日から日本で公開され、その後140以上の国と地域で順次上映されている。

公開初週の国内映画ランキング(興行通信社調べ)では、初登場1位に。初日から3日間で動員44万3700人、興収6億4700万円を記録したものの、前作から大きく数字を下げた。

「前作『上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は、公開3日間で動員81万3422人、興収11億5876万5410円という結果でした。アジア地域でも苦戦しており、韓国でのオープニング成績は前作226万ドルで、今作132万ドル。香港では42万ドルから22万ドルに(Box Office Moji調べ)。そのほかにもタイ、台湾でも前作に比べて30~40%ほど数字を落としています」(映画ライター)

しかし一方で、数字を大きく伸ばしている地域もある。

メキシコに『鬼滅の刃』ブームが到来中!

「一番大きいのはメキシコでしょう。前作のオープニング成績は343万ドルで、大ヒットしていたのですが、今作は442万ドルにまで上昇。日本国内のオープニング成績(ドル換算で435万ドル)を超えています。また、コロンビアでも19万ドルから48万ドルにまで数字を伸ばしました。全米映画ランキング(Box Office Essentials調べ)では初登場2位で、興行収入は1157万ドル。こちらも前作の1011万ドルを超えています」(同・ライター)

前作『上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が公開された際、中南米・カリブ諸国地域で『鬼滅の刃』の上映権利を持つメキシコのケン・メディアの代表は、JETRO(日本貿易振興機構)の取材に対応。

人気の秘訣を「公用語がスペイン語の中南米地域では、ファン同士が、ツイッターやインスタグラムなどのSNSで大きなコミュニティーを作っており、上映開始前の盛り上がりを作り出している」と分析していた。

さらに、欧州地方にもブームが訪れているようだ。

「伸び率が大きいのはイタリア。前作は20万ドルでしたが、今作は52万ドルで倍以上の結果になりました。そのほか、スペインが25万ドルから45万ドル、イギリスが68万ドルから81万ドル、チェコで3.9万ドルから6.1万ドルという結果に。スイスやルーマニアでは数字を落としましたが、大健闘したといえるでしょう」(同)

『鬼滅の刃』大ブームのきっかけは、巧みなトランスメディアストーリーテリングやストリーミング配信の成功、コロナ禍など、様々な要因があると言われている。

物語はまだ続くが、その受け入れられ方にも注目していきたい。

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