社会

「建設会社の協会トップはけしからん!」大阪万博の協会副会長と建設業界のバトルが勃発

xalien
(画像)xalien/Shutterstock

大阪・関西万博(2025年4月13日開幕)の旗振り役である「万博協会」と、建設を担う建設業界の間でバトルが勃発。万博開催にますます暗雲が垂れ込めている。

建設業界を名指しで批判しているのは、「日本国際博覧会協会」副会長の松本正義・関西経済連合会会長(住友電気工業会長)。同副会長の建設業批判が飛び出したのは、2月9日に京都市で開催された「関西財界セミナー」記者会見だった。

【関連】馳浩・石川県知事の“万博忖度発言”に被災者たちは怒り心頭!そこまで「維新票」が欲しいのかほか

「記者から万博の見通しを聞かれた松本副会長は突然、怒りを抑え切れず『建設会社の協会トップはけしからん。万博を成功させようというコメントはどこにもない』などと不満を爆発させたのです。これは日本建設業連合会の宮本洋一会長の発言を念頭に置いた怒りなのは言うまでもありません」(在阪記者)

清水建設会長が「開催を延期すべき」

批判の矛先が向けられた宮本会長は、大手ゼネコンの清水建設会長である。その宮本会長は昨年夏ごろから「万博の準備が遅れている。しっかりした図面と工費などを早く出して欲しい」と訴え、「今のままでは各国の独自パビリオン・タイプA(敷地渡し方式)の建設は間に合わない。25年4月の開催を延期すべきだ」などと主張していた。

実際、万博建設現場からは次のような悲鳴が聞こえてくる。

「万博では独自パビリオンを建てる国は約60カ国あるが、即着工しても来年4月に間に合うかどうかの瀬戸際。それなのに3分の1は設計段階にも至っていない。これでは建設現場が夜も寝ないで進めても、もはや不可能。加えて、4月からは残業規制も始まる。さらに、能登半島地震の非常事態も起きた。それでも、予定通り万博強行なら建設現場から病人や自殺者が出ても不思議ではない」

松本副会長の立場からすれば、メンツを懸けた焦りが建設業界への八つ当たりになった感もある。

「バトルを演じていても何の解決にもならない。国際的な理解を取り付けたうえで、延期や中止など現場にこれ以上、シワ寄せがいかない対策を取るべき」(前出・在阪記者)

〝正義〟はどっち?

あわせて読みたい