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六代目山口組“外交戦略”全容!~会津小鉄会が「統合新人事」を通達

六代目山口組“外交戦略”全容!~会津小鉄会が「統合新人事」を通達
六代目山口組“外交戦略”全容!~会津小鉄会が「統合新人事」を通達 (C)週刊実話Web

新生・七代目会津小鉄会が始動した。2月下旬、各関係先に〈新役員人事御通知〉が送付されたのだ。

〈六代目山口組若頭弘道会総裁 髙山清司様の御口添を頂き 七代目会津小鉄会組織発展と尚一層の充実向上を図る為 令和三年二月吉日を以て先の通り新役員人事を執り行いましたので御通知申し上げます〉

約4年にわたり、六代目山口組(司忍組長)派と神戸山口組(井上邦雄組長)派に分かれていた七代目会津小鉄会が、名実共に統合。コロナ禍であることを鑑みて盃は執り行わず、新体制を発表したのだ。

トップに金子利典会長が座り、執行部は原田昇若頭、新原徹本部長、石本省二舎弟頭、前田剛組織委員長、6人の若頭補佐。さらに、道原利光相談役、山岡敏雄相談役の名も記されていた。

「髙山清司若頭が後見人になっとるから、六代目山口組の親戚団体になったわけや。分裂時、金子会長は神戸派、原田若頭は六代目派やったが、京都の名門・大瓢箪(会津小鉄会の代紋)を守るために、一本化を決意したんやろな。この統合が山口組の分裂にどう関わってくるか、みんな注目しとるで」(関西の組織関係者)

一部関係者の間では、今回の統合は六代目山口組による〝外交戦略〟の一環との見方もされた。

「一昨年10月に髙山若頭が出所し、その後、一気に武力行使が強まった。神戸山口組の古川恵一幹部が射殺され、昨年5月に池田組(池田孝志組長=岡山)若頭、11月には仲村石松若頭補佐(三代目古川組組長=兵庫尼崎)が撃たれた。神戸側の主軸やった五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)や池田組が脱退したが、まだ山口組の分裂が終わる気配はない。せやから、今度は外堀を埋めていく作戦なんと違うか」(同)

いわば〝極道ネットワーク〟による神戸山口組への牽制とも囁かれたのだ。

他団体との関係強化を図る六代目山口組

現在、六代目山口組の親戚・友好団体は、七代目会津小鉄会を含め9団体となる。稲川会の内堀和也会長(東京)は六代目山口組・竹内照明若頭補佐(三代目弘道会会長=愛知)と兄弟分の間柄で、稲川会とは特別な関係にある。分裂当初、即座に六代目側への支持を表明したのも稲川会だった。

また、六代目共政会(荒瀬進会長=広島)も親戚関係にあり、昨年2月には髙山若頭も列席して、荒瀬会長と安東美樹若頭補佐(二代目竹中組組長=兵庫姫路)との兄弟盃が執り行われ、より関係強化が図られていた。

一方、神戸山口組の支持派は数団体にとどまるが、たびたび井上組長を訪問し、トップ同士が顔を合わせる場面も見られた。

「全国の指定組織は24団体や。その多くが六代目山口組と親交を深めとって、誕生祝いや時候の挨拶で行き来しとる。他団体と神戸山口組が揉めることはないとはいえ、業界的な見方をすれば神戸側の立場は決していいとは言えんやろな」(ベテラン記者)

六代目側が他団体との関係強化を図ることで、神戸側にどう異変が生じるのか。

「分裂当初、神戸山口組が出した書状には、暗に六代目体制に異を唱える形で、割って出た動機が記されていた。しかし、六代目山口組と他団体との付き合いは緊密であり、今回、一本化した七代目会津小鉄会も髙山若頭が後見した。事実上、神戸側を支持する組織が、一つ減ったということにもなる。六代目側としては、業界内での正当性を主張しているのではないか」(業界ジャーナリスト)

神戸山口組最高幹部らが、分裂直後に関東、九州など各地へ赴き、他団体関係者らと接触を図った動向からも、〝極道ネットワーク〟の構築を重要視していた姿勢が分かるだろう。

「業界内で影響力を持つ住吉会(関功会長=東京)の加藤英幸総本部長が神戸を訪れ、注目されたこともあった。個人的な訪問だったとは聞くが、当時は警察も騒然となった」(同)

今後の展開として考え得る事態は、六代目山口組による〝外交戦略〟の活発化だという。

「井上組長の『最後まで戦い抜く』という決意に、訴えかける何らかのアクションを起こすのではないか。時間が掛かる可能性はあるが、これまでの切り崩しや武力行使とは違う方針を感じつつある」(同)

宅見組に使用禁止の仮処分

警察当局は分裂抗争の再燃を警戒しており、両山口組への〝プレッシャー〟を強めていた。直近では、神戸山口組・入江禎副組長率いる大阪市中央区の二代目宅見組本部へ、事務所の使用を禁じる仮処分が大阪地裁によって決定(2月15日付)したのだ。

「近隣住民からの委託を受けた大阪暴追センターが、昨年12月に申し立てていました。宅見組本部は特定抗争指定の警戒区域内にあるため、すでに使用禁止となっていますが、今回の決定によって指定が解除されて以降も使えなくなります。大阪ミナミの中心部にあり、一般市民への影響を懸念した結果ではありますが、警察主導のやり方が透けて見え、宅見組への警戒を続ける構えがうかがえます」(全国紙社会部記者)

一方、神戸山口組を脱退した五代目山健組に対しても、取り締まり強化が図られている。

「京都・福知山の山中で男性の遺体が発見された事件で、岡田渉幹部(二代目武神会会長=兵庫姫路)が殺人などの容疑で逮捕されとって、傷害致死と死体遺棄で2月25日に起訴されたんや。すでに武神会の組員が殺人罪で起訴されとるが、岡田幹部との共謀が立証でけんかったから、傷害致死に切り替えたようや。それでも、業界内では無理筋やといわれとるで」(地元記者)

岡田幹部の現場不在が続く中、五代目山健組では20日付で高倉重典・三代目松藤組組長(愛知)が若中から「幹部」に昇格。体制固めが行われた。

「高倉組長は弘道会勢がひしめく名古屋に本拠を置きながらも、山健組の看板を死守してきた。その手腕を見込まれての抜擢だろう」(他団体関係者)

六代目山口組は五代目山健組に対して〝不干渉〟の姿勢を示しており、実際、衝突などは起きていない。山口組分裂の本題は、あくまでも神戸山口組との対立であることが分かる。

「司六代目は終生、菱の代紋を背負う覚悟だと聞くから、分裂終結への思いも強いはずだ。それを知るからこそ、髙山若頭も持病を抱えながら精力的に動いているのだろう」(前出・業界ジャーナリスト)

髙山若頭の出所当日、5年4カ月ぶりに顔を合わせた司六代目は、車両から降りるなり歩み寄り、「元気やったか?」と笑顔を向けた。2人の空白の時を埋めるには、その一言で十分だったのかもしれない。

射殺、銃撃、切り崩し、そして〝外交戦略〟を繰り出す六代目山口組。次なる対神戸山口組へのアクションとは、いったい――。

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