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JRA重賞『弥生賞』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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先週の中山記念はヒシイグアス軸に馬連・3連複ゲットで快哉を叫んだ。トリガミもアリか、と思われたが2、3着に薄目が来てくれたのが何より。松山は、個人的には今一番頼れるジョッキーだ。馬連1800円、3連複6800円と10円単位ナシのキリの良さ。50年近く馬券をオモチャにしてきたが、やっぱり競馬はつくづく面白い! 緊急事態宣言は2週程度延長の方向らしいが、早く競馬場(またはウインズ)で馬券を買いたい! と切なる願いを胸に、今週は牡馬クラシックを占う上で重要なこの一戦に賭けよう。

タイトルにディープインパクト記念の冠があるが、今回この名馬の産駒が出走していないのが、ディープファンとしては何とも寂しい。あと何年かすると現役産駒もいなくなる。まあ「ディープを忘れない」ということでこのタイトルなのだろう。

今回、大本命となるのは、昨年暮れのGⅠホープフルS優勝のダノンザキッドで衆目の一致するところ。あのレースを取らせてもらった分際で、アヤを付けるのも申し訳ないが、はてさて、この馬で盤石か、というとそうでもない気もする。あわよくばこの〝一強〟を倒せそうな馬はいないのか、と思案橋ブルース。そこで取り上げたのがシュネルマイスターだ。2戦2勝の無敗だけに、ダノンに対して挑戦権は立派にあるだろう。鞍上も、先週は3番人気馬で9着とヘグったものの、重賞じゃあ基本的に頼りになるルメール先生だし、〝スピード名人〟という意味のドイツ語をつけた馬名も頼もしい。

頼りと言えば前出の松山騎手は、土曜阪神のチューリップ賞でストゥーティに騎乗する。ところで、先週シーザリオが急死したが、このチューリップ賞には、偶然にもシーザリオの仔であるエピファネイアやリオンディーズの仔が出走する。祖母の死を悼んで激走するかもね。そうそう、このリオンディーズが2着だったのが、16年の弥生賞だった。あれからもう5年も経つのか、早いものだ。

今年の弥生賞は2016年とダブる気が…

映画馬券としては、どうもピッタリの名がない。無理くり関連づければ、ダノンザキッドの〝ザキッド〟から『ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯』(73年)をまず思い出した。もう半世紀近くも前の西部劇だが、監督は『ワイルドバンチ』(69年)などで〝バイオレンスの鬼才〟と呼ばれたサム・ペキンパーだけに忘れられない。西部史上にその名を轟かせた若きアウトロー、ビリーの血気が鮮烈だった。一方、シュネルマイスターの父はキングマン。ここから一文字多い『キングスマン』シリーズ(14年~)を想起したりして。イギリスのスタイリッシュなスパイ組織〝キングスマン〟の面々の活躍を描いており、その最新第3作『キングスマン:ファースト・エージェント』はコロナの影響で日本公開が遅れているが、年内には観ることができそうだ。

弥生賞はこの10年、10数頭の出走がほとんど。今年も10頭と寂しい。上位人気馬で堅かったり、総崩れだったり、波が激しいレースでもある。今年はどっち? ボクは前記の②ダノンザキッドと⑩シュネルマイスターが抜けていると思うので、堅い、と信じる。この間に割って入る馬は…といっても数頭に限られる。トリガミ危険ってヤツだ。相手は先週の中山記念で2、3着に入って儲けさせてもらった岩田康、横山武に敬意を表してその騎乗馬⑤ホウオウサンデー、④タイトルホルダー(火曜に疝痛があったのが気になるが…)を。加えて京成杯2着の三浦⑦タイムトゥヘブン。連勝中の田辺⑥ワンデイモアも、緊急事態宣言が〝ツゥー・ウイークス・モア〟になってしまったので(?)買おう。

馬券は②キッド、⑩マイスターを厚目に、各々から他の4頭へ馬連を。3連複は②キッドから上記5頭に。②キッド中心とはいえ、あくまで軸馬としてである。16年の弥生賞で前出の1番人気リオンディーズを2着に下したのはルメール騎乗のマカヒキ(このあと皐月賞2着、ダービー1着! 鞍上は川田だったが)。どうも今年の弥生賞は16年とダブる気もする。ルメールが歴史を繰り返す! 〝一強〟をイテこますのはこの馬、というわけで⑩シュネルマイスターの単も!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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