ダイハツに続き豊田自動織機の認証試験の不正が発覚し、ついに豊田章男会長までもが謝罪会見を開いたトヨタ自動車。一方で、2月6日には2024年3月期の業績予想を上方修正し、最終的な純利益が同社初の4兆円超えとなる、4兆5000億円になると発表した。
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これを受けて、同日のトヨタ株は前日比5%高で取引を終え、時価総額は51兆1475億円。過去最高額だったバブル期のNTTの約49・6兆円(1987年4月)を37年ぶりに更新した。
絶好調な業績とグループ全体の不祥事という暗いニュースが共に飛び交う、なんとも不可解な状態。いったい、これはどう見ればいいのだろうか?
佐藤社長は「汚れ役」!?
自動車評論家によると「ポイントは、佐藤恒治社長になってからグループの不祥事があらわになったことです」と言う。
「度重なる不祥事に豊田会長が会見を開いたことでも分かるように、昨年就任した佐藤社長より豊田会長が実権を握っていることは明らかです。ただ、不祥事対応においては社長と一線を退いた会長では責任の重さが違う。佐藤社長には、豊田前社長体制の遺産とも言える好決算を褒美に、泥臭くグループ内の膿を出させ、落ち着いた頃に豊田会長の息子へ社長業をバトンタッチするというシナリオが噂されているのです」(同)
経済記者が補足する。
「今回の騒動により、トヨタブランドが大きく毀損しなかったことは驚きです。世界中で『トヨタ車は壊れない』との評価が定着しているからでしょうが、不正の膿を出しきった段階で同族経営に戻る可能性はこれで高まったはずです」
とはいえ、「100年に一度の変革期」といわれる昨今の自動車業界では、〝巨人トヨタ〟も安穏としてはいられない。これからどんなシナリオが展開するのか、大注目だ。
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