(画像)7maru/Shutterstock
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“千客万来”は今だけ!? オープンしたての豊洲市場隣接「商業施設」に早くも暗雲

東京都中央卸売市場(豊洲市場)に隣接する温浴施設を備えた『豊洲 千客万来』が2月1日に開業した。


ところがオープン初日の賑わいをよそに、早くも先行きが危ぶまれているという。


当初、同商業施設の運営者には『すしざんまい』を運営する「喜代村」と「大和ハウス工業」が決定していたが、辞退したため東京都が再公募。全国で温浴施設と旅館業を営む「万葉倶楽部」に決定した経緯がある。


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しかし、小池百合子都知事が築地市場跡地の『食のテーマパーク』構想を打ち出したことで、万葉倶楽部側が難色を示し、開業は5年遅れた。


千客万来は、温浴棟と食楽棟で構成されている。食楽棟は地下1階、地上3階建てで、2階は江戸時代の活気あふれる市場を再現。3階は豊洲市場の海鮮を使用した寿司や海鮮丼を提供するなど、どの店も新鮮さがウリだ。


「問題は価格です。築地場外市場で約3000円で食べられる海鮮丼は約7000円、コロッケ800円、ソフトクリーム1600円…。まるでバブル化している北海道のニセコと同じインバウンド客狙いの高価格設定なんです」(スポーツ紙記者)

ニセコなみのバブル

ニセコは札幌や新千歳空港から車まで約2時間。倶知安町とニセコ町を合わせた「ニセコエリア」は、世界屈指のスノーリゾート地だ。冬になると、富裕層の外国人観光客がこぞってスキー目当てに訪れるため、同地はバブル化が進んでいる。

「スキーシーズン前にホテルは予約で埋まる。一泊70万円のホテル、2000円のカレーや牛丼を出す店もザラ」(フードライター)


千客万来の食楽棟は170のテナントを誘致予定だったが、現在は約70店舗と半分にも達していない。


「1区画当たりの面積が狭いのがネックになった。それにインバウンドを相手にするには語学ができる人を雇わなければならない。4月までにテナントを増やすとしていますが、難航しているようです。近い将来、築地市場跡地に読売巨人軍の本拠地が移転してくれば、築地場外市場も栄える。わざわざ高い海鮮丼を食べるため、豊洲まで足を運びませんよ」(豊洲市場関係者)


千客万来は今だけ?