製作総指揮/オプラ・ウィンフリー、スティーブン・スピルバーグ、スコット・サンダース、クインシー・ジョーンズ
監督/ブリッツ・バザウレ 原作:アリス・ウォーカー
出演/ファンテイジア・バリーノ、タラジ・P・ヘンソン、ダニエル・ブルックス、コールマン・ドミンゴ、コーリー・ホーキンズ、H.E.R.、ハリー・ベイリー他
配給/ワーナー・ブラザース映画
お仕事お疲れさまです!
今週は私の大好きな作品を紹介したいと思います。すでに公開中ですが、本当にみんなに見てほしいです。
『カラーパープル』は1985年にスティーブン・スピルバーグが監督を務めた同タイトルのミュージカル化。スピルバーグは70年代から80年代の前半まで『ジョーズ』や『E.T.』など、数多くのエンターテインメント作品を監督してきましたが、この『カラーパープル』は彼にとって初期の社会派ものです。
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この作品はたくさんの映画賞にノミネートされるほど絶賛され、本当に素晴らしい。でも、テーマはかなり重い。主人公は2人の仲良し姉妹、セリーとネティですが、離れ離れに。
本人の希望でなく頑固な夫・ミスターと結婚させられたセリーの毎日はツラく、意地悪や、強くセリーに当たるさまには見ているこちらも心が苦しくなります。
そして何と言ってもひどいのは、毎日届いていたネティからの手紙をミスターがすべて隠していたこと。
そんな暮らしでも、いろいろな人と出会うことで少しずつ強くなっていくセリー。私はセリーが出会うソフィアが大好き。とても強いイメージの女性ですが、さまざまなトラブルに見舞われます。
でもこの時代は、強く生きていないと自分が壊れてしまいます。明るく振る舞うことで、何とか強くいられる唯一のパワーの源だったのかもしれない。彼女の心情を考えるとツラい。
私は本当にミスターを許さない。頑固オヤジってもんじゃない!
彼女たちから生きる力を!
本作は、かなり重いテーマですが、楽曲が素晴らしく歌唱力と演出に救われます。
そしてキャスト! セリーはファンテイジア・バリーノ、幼いネティは『リトル・マーメイド』でお馴染みのハリー・ベイリー。ダニエル・ブルックスがソフィアを演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされています。
このミュージカル化した本作を見ると1985年のオリジナルも見たくなります。セリーを演じたのはウーピー・ゴールドバーグ! 今は貫禄があるけど、当時は初々しい。
ソフィアを演じたのは世界で最もパワフルな女性の1人、オプラ・ウィンフリーで、今回は製作に。スピルバーグもウィンフリーも関わるという所から、どれだけ愛され手放せない作品か分かりますね。
パワーはもちろんもらうけど、家族の在り方を考えさせてくれる傑作。何かが物足りないと思ったら見に行って満たされて!
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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