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蝶野正洋『黒の履歴書』~芸能人専用の更生施設を造るべき

蝶野正洋 
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

TOKIOの元メンバー山口達也さんが、飲酒運転で捕まった。事故を起こした時間が朝の9時半ごろみたいなんだけど、朝こそ飲酒運転しているやつが多いのかもしれない。

最近はあんまり見かけないけど、飲酒運転を取り締まる検問はだいたい夜にやっている。夜中に酒を飲んだドライバーの一部は、朝になるまで待って、酒が残ってても運転してるやつがいるんじゃねーかな。

山口さんは謹慎中で仕事もなく、家でずっと1人で酒を飲んでいたらしいけど、周りに止める人もいなかったんだと思う。酒は普通に嗜好物として売ってるものだから、「飲むな」とは言えない。だからこそ、量や頻度のコントロールが必要で、それは1人だと難しいのかもしれない。

飲酒運転だけじゃなく、大麻や覚醒剤なんかもそうだけど、逮捕された芸能人を業界から追放して孤独にさせたら、また何かにすがって過ちを繰り返してしまうのは普通かもしれない。

そもそも芸能人は、品行方正なエリートじゃない。どちらかと言ったら、社会に適合できなかった人間が多い。それでも人を引きつける才能やタレント性に秀でるものがあって、人前に立てているだけなんだよ。

これはプロレスラーも同じ。プロレス業界に入らなかったら、犯罪を起こしかねないようなやつらばっかりだからね。だからこそ、なにか過ちを犯してしまったら、すぐに切り捨てないで、ちゃんとケアをしてあげないとダメなんだよ。

ファンが24時間監視できるシステムがいい

学校でも、秀才が集まるエリート高校だったら、1回悪いことをしたら一発退学。でも、不良が集まるような高校だと、何かやらかしても停学や謹慎で猶予措置をとって、やり直すチャンスを与える。それをしないで退学させたら、もっと悪いことをしでかすからね。一般社会がエリート高校だったら、芸能界は不良高校。実際、会社務めの人間が逮捕されたら、ほとんどの場合、会社側からクビを宣告されるからな。

だから、アルコールや薬物で問題を起こした芸能人は、まずは罪を償って、その後はマネジャーが監視する。事務所は、所属タレントが問題起こしたときほどしっかりと付き添って、依存症なら治るまで一緒に取り組む。ちゃんと社会復帰させるというのが本当のマネジメントだと思うよ。

それが難しいなら、芸能界でカネを出し合って、専用の更正施設を造ればいい。鑑別所みたいな施設で、悪いことをやった芸能人はそこに送り込んで、半年間くらい修行や反省をさせる。地域貢献とかもどんどんさせればいい。

さらにその模様をライブ配信して、24時間監視をする。夜中にフラフラ起きて酒を飲もうとしたら、ファンが「やめろ!」ってコメントを書き込めばいいんだよ。常にファンから監視されていれば、さすがにまた手を出すことはしないんじゃないか。

その様子を、テラスハウスみたいな番組にして、ネット配信することもできる。これが本当のリアリティーショーだよ。収益は施設の運営費なり、依存症をなくすための活動に使う。再起する過程を見せれば、捕まる前より人気が出る芸能人も出てくるかもしれない。

これが実現するなら、俺がそこの所長になってガンガン更生させてやるよ。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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