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北朝鮮・金正恩氏の“斬首作戦”秒読みか!? 米韓合同演習で異例の「爆撃機」が参加
米空軍と韓国空軍は2月1日と3日に、韓国の西海上空で今年初の合同空中演習を実施した。韓国空軍の説明によると、今回の演習は両軍の合同作戦遂行能力と相互運用性の向上を目的としており、韓国防衛公約を履行しようとする米国の変わらぬ意思を示しているという。
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演習には米軍のF22やF35B、韓国軍のF35Aなどレーダーでは捉えにくい第5世代ステルス戦闘機が集結。さらには「死の白鳥」の異名を持つ米軍のB1B戦略爆撃機が参加するなど、異例とも言える大規模なものになった。
「B1Bは核心施設を精密打撃することが可能で、地中貫通爆弾『バンカーバスター』も搭載できる。そのため、北朝鮮の金正恩総書記が最も恐れる兵器と呼ばれています。また、昨年9月末には中国の原子力潜水艦が西海深くに侵入し、韓国軍と米軍を刺激しました。今回の訓練は北朝鮮だけでなく、朝鮮半島周辺で軍事行動を繰り返す中国への警告という側面もあるのです」(在日韓国紙の軍事専門記者)
米韓両軍が正恩氏の「斬首作戦」をにおわす演習を行った背景には、いくつかの伏線がある。1月27日、正恩氏の実妹である金与正党副部長が、ウクライナに対する米独の主力戦車供与に強い警戒心を示し、以下のような談話を発表した。
「われわれは国家の尊厳と名誉、自主権と安全を守るために戦うロシアの軍隊や人民と、いつも同じ塹壕にいる」
米国を特に刺激したのは、以下のくだりである。
「米国は最近、主力戦車まで(ウクライナに)供与すると公式発表し、反ロシアの立場をより一層鮮明にしている。ウクライナに地上攻撃用戦闘装備を送り込むことで、戦争状況を段階的に拡大している米国に、われわれは深い懸念を表明し、これを強力に糾弾する」
ロシアとの軍事的つながり
北朝鮮はロシアと「同じ塹壕にいる」だけではない。1月20日、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官が記者会見を開き、ウクライナ侵略に戦闘員を派遣しているロシアの民間軍事会社『ワグネル』に、北朝鮮が兵器を提供した証拠だとする衛星画像を公開した。「こうした経緯からNSCはワグネルを『国際犯罪組織』に指定し、追加制裁を科すと発表しています。そして追加制裁は『ワグネルと、ワグネルを支援する世界規模のネットワーク』まで及ぶので、当然、北朝鮮も対象国になります」(防衛省関係者)
正恩氏への「斬首作戦」が現実味を増す一方で、北朝鮮にも執拗に韓国トップの命を狙ってきた歴史がある。朴正熙大統領と政府要人を標的にした1968年1月の「青瓦台襲撃未遂事件」や、ビルマ訪問中の全斗煥大統領一行の暗殺を意図した1983年10月の「ラングーン事件」などについては、韓国の「自作自演」「でっち上げ」と関与を否定しているが、北朝鮮による明らかなテロ行為だ。
正恩氏は昨年9月、最高人民会議(日韓の国会に当たる)で演説し、「政権の座に就いた南朝鮮(韓国)の保守政権(尹錫悦政権)は、歴代のどの保守政権をもしのぐ極悪非道な同族対決政策と事大主義的売国行為を追求し、朝鮮半島の情勢を戦争の瀬戸際に追いやっている」と、「北朝鮮主敵論」を前面に打ち出した尹政権を猛然と非難した。
“核”を使用される前に…
実際、2月1日の米韓合同演習に対して、翌2日に北朝鮮外務省報道官は談話を発表し、「いかなる軍事的企図にも核には核、正面対決には正面対決で超強力に対応する」と警告している。「朝鮮半島有事が現実となれば、米韓連合軍は核戦争を阻止するため、正恩氏の除去を狙った『斬首作戦』を間違いなく実行します。それは何より、正恩氏が核のボタンを握っているからに他ならないからです」(外交関係者)
北朝鮮は前述した最高人民会議で、核使用に関する法令を採択した。その中の第3項目「核戦力に対する指揮統制」は、以下のように定められている。
(1)わが国の核戦力は(金正恩)国務委員長の唯一的指揮に服従する。
(2)国務委員長は核兵器に関連するすべての決定権を持つ。
核戦争を阻止するため、米韓連合軍には「3段階抑止戦略」がある。その第3段階は核を使用した場合の対応となっており、仮に核を使用されてからでは手遅れになるため、第2段階で「金正恩斬首作戦」が実施される可能性が高い。
「米韓には斬首作戦を遂行する特殊部隊があり、米軍では2011年にビン・ラーディンを殺害したネイビーシールズ『第1特戦団』やデルタフォース『第19特殊戦団』などが、その名を知られています。韓国にも南北対立が激化した2017年に陸軍特殊戦司令部が創設され、その傘下に1000〜2000人規模の特殊任務旅団が存在する。彼らが正恩氏のクビを狙う実行部隊です」(軍事ライター)
国際社会は狐と狸の化かし合いだが、一つ間違えば誰かが核のボタンを押しかねない。その火薬庫がウクライナを侵略するロシアと、朝鮮半島の緊張状態を招く北朝鮮なのだ。
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