2月10日に開催される『博多華丸・大吉』の『華大どんたく』(福岡PayPayドーム)と、2月18日開催の『オードリー』のラジオイベント(東京ドーム)のチケットが共に完売。令和の時代、演歌歌手とお笑いタレントの〝格付け〟は完全に逆転した格好だ。
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「昭和の時代は演歌歌手が花形スターだった。週末ともなると、地方営業に引っ張りだこで、演歌歌手らはNHKの紅白歌合戦出場にしのぎを削っていた。紅白に出場することで、翌年からの地方営業のギャラが跳ね上がりますからね。紅白に出場したことのある歌手になると、1日の地方興行のギャラは司会、前座、バンド込みで500万~600万円。それでも飛ぶように売れたんです。だから、一部芸能事務所は裏金を使ってでも、所属歌手を紅白にネジ込んでいましたよ」(元レコード会社宣伝マン)
弊社から著書『お笑いがばい交友譚』を出版した『B&B』の島田洋七氏が語る。
「俺が売れる前は、森進一さんや前川清さんのコンサートで前座の仕事をしていました。確かに、当時のお笑い芸人は俳優や歌手より格下でしたね」
芸能界で一段も二段も低くみられていたお笑いは、1980年代に転機を迎える。『B&B』、『ツービート』、『ザ・ぼんち』、『紳助・竜介』らによる漫才ブームが巻き起こり、お笑いタレントが持てはやされた。
お笑いの天下はいつまで続く?
「漫才ブームが去りゆく頃、バブルが弾けました。演歌歌手の地方営業の依頼も激減した。代わりにバンドや司会のいらないお笑いタレントへの依頼が殺到したんです。お笑いタレントの地方営業だと、100万円以内で済む。交通費もタレントだけで最小限に抑えられますから」(興行会社関係者)
そのため、演歌は衰退の一途をたどり、テレビから歌番組も消えていった。
「逆にお笑いは、ここでもセットや衣装、ギャラが低コストで済むため需要が拡大、バラエティー番組も急増した。以後、お笑いは世代ごとに人気タレントが生まれ、ブームが続いているのです」(お笑いライター)
ちなみに、コンビ結成33周年を迎えた博多華丸・大吉の『華大どんたく』は最高額で10万円もする〝愛と人脈のタニマチシート〟がすでにソールドアウト。
「5万円、3万円のシートやアリーナ席も完売ですからね。もう演歌歌手では太刀打ちできないと思います」(お笑い関係者)
一方、『オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム』のチケットは、予定予約枚数4万5000枚と追加5000枚分が完売し、お笑い芸人史上最多の5万人イベントとなる。
松本人志の騒動をよそに、時代は演歌歌手からお笑いの天下になった。
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