話題の1冊☆著者インタビュー~『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論』著者:小林よしのり

『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論』扶桑社/本体価格1200円

小林よしのり(こばやし・よしのり) 1953年、福岡県生まれ。漫画家。大学在学中に『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、ギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。92年『週刊SPA!』(扶桑社)誌上で世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。
――小林さんは一貫して、「コロナは怖くない」と主張しています。その理由はなんですか?

小林 もちろん、最初から「怖くない」と決めてかかったわけではなく、毎日発表されるデータを注視していました。日本では季節性インフルエンザの患者数が毎年1千万人、死者が間接死を含めて1万人といわれており、それより危険なウイルスかどうかを基準としましたが、感染者数・死亡者数ともにはるかに及ばないレベルで推移しています。結果的に、少なくとも日本においては、新型コロナはインフルエンザ以下のウイルスだと判断しました。

――『羽鳥慎一モーニングショー』では岡田晴恵教授と玉川徹氏がコロナの恐怖を連日のように報道しました。どの様に思いますか?

小林 とにかく恐怖をあおれば視聴率が上がる、ただそれだけのために、岡田・玉川はたかがインフルエンザ以下のコロナを恐怖のウイルスにでっち上げ、他の番組もこれに追随しました。また、無駄なPCR検査の徹底を訴え続け、現場の混乱を招いた責任も大きいでしょう。

新しい生活様式ではなく元通りの生活様式に

日本では新型コロナウイルス自体の被害よりも、メディアが作ったコロナ恐怖による被害の方がずっと甚大になるのは間違いなく、その元凶がこの2人です。その罪は果てしなく重いでしょう。

――日本のコロナ対策を批判する声があります。実際には成功しているのでしょうか?

小林 対策が甘すぎると批判されているようだが、わしは正反対で、対策がきつすぎたと思っています。インフルエンザ以下でしかないウイルスに、休校も緊急事態宣言も自粛もステイホームも必要なかった。ただ重症者の治療にのみ注力すれば十分だったのです。海外でも、ロックダウンのような強硬策は効果がなく、緩やかな規制のみに留めたスウェーデンが成功したという結果が出ている。日本もスウェーデン型でよかったんです。

――今後、コロナは収束していくと思いますか?

小林 ウイルスを根絶することは不可能であり、一定数の国民が感染して抗体を持ち、集団免疫を作るしか収束の方法はないでしょう。日本ではすでに「集団免疫状態」にあると複数の研究者が発表しており、感染自体はこのまま収束すると思います。

それより問題は、コロナ自粛によって破壊された経済・文化・社会の復旧です。「新しい生活様式」ではなく「元通りの生活様式」にしなければならない。そのためにも、東京五輪は開催すべきだと考えます。

(聞き手/程原ケン)