阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web 
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岡田阪神の連覇に課題!? 国内FA取得の5人の起用法がキモに…

大山、佐藤? 開幕投手は青柳か、それとも、村上か…。「アレ(=優勝、日本一)」の連覇の「アレンパ」を目指す岡田阪神の今シーズンは、気苦労の多い1年となりそうだ。


順調に行けば、今季の阪神は青柳晃洋(30)、坂本誠志郎(30)、大山悠輔(29)、糸原健斗(31)、原口文仁(31)の5選手が、国内FA(フリーエージェント)権を取得する。


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「大山は昨年オフの契約更改で複数年を提示されましたが、辞退しています。かといって、『単年=権利行使』と結びつけることもできませんが」(在阪記者)


昨年、日本一になった〝強いチーム〟に在籍し、かつその主砲を務めている。プロ野球選手にとって、最高の環境でプレーできるので、大山の権利行使はやはり考えにくい。


しかし、連覇に失敗すれば、状況は変わってくる。岡田彰布監督(66)の責任は重大で、その「FA5人衆」のトリセツ(起用法)を見誤ると、連覇はもちろん、彼ら全員を喪失してしまいかねない。


「ちょっと心配なのが、青柳です」(同)


青柳は自主トレを終了し、キャンプイン直前の練習を甲子園球場で行った。自主トレを共に行うメンバーは、年を重ねるごとに増えている。その人柄と2021、22年と2年連続で最多勝と最高勝率のタイトル獲得の実績によるものだ。しかし、その青柳から出る言葉は〝悲観的なもの〟ばかりだという。


「勝負の1年だと思っています」


昨季は8勝止まり。不振で二軍降格&再調整の屈辱も味わった。


「青柳の『勝負の1年』発言は、単に再起を目指すものではありません。今の青柳は先発ローテーション入りを保障されていません。ヘタをしたら、中継ぎ降格か、開幕二軍なんてこともあり得ます」(スポーツ紙記者)


それだけ、阪神の投手層が厚くなったのだ。

青柳は大目に見る…!?

また、青柳の自主トレメンバーには昨季ブレークした村上頌樹もいる。これまでは〝弟分〟のような存在だったが、23年の新人王&MVPとなり、立場は逆転した。

「村上は開幕投手に選ばれる可能性も高いです」(前出・在阪記者)


昨季、青柳が二軍で再調整していた頃、弟分は大活躍だった。複雑な思いもあったはずだ。


「青柳はキャンプ序盤からアピールしなければなりません。村上は開幕に合わせての調整が許されていますから」(球界関係者)


不振の原因は制球難で、さらに突き詰めると、こんな情報も聞かれた。


「3ボールカウント後に投げるツーシームで、コントロールミスをしてしまう場面も多かったのです。岡田監督は与四球で自滅する投手が嫌いです。前政権で青柳はそこまで厳しく指導されませんでした」(同)


岡田監督も大目に見てやらないと、青柳は本当にダメになってしまうかもしれない。


「捕手の坂本は、どうなるのか分かりません。昨季後半は故障した梅野に代わってスタメンマスクを被り続け、大竹耕太郎、村上ともバッテリーを組むことも多く、影のMVPとも称されていました」(前出・在阪記者)


しかし、レギュラー捕手は梅野隆太郎でスタートすることになりそうだ。坂本は出場機会を求めている。両者ともハイレベルな捕手能力を持っているが、岡田監督が梅野を重視する理由は「経験値」だという。


また、正捕手を決めて、シーズンの大半を任せる展開を理想としている。よって、開幕スタメンマスクの争いで坂本が敗れた場合、出場機会が激減する可能性が高い。


「昨季の坂本は、村上が先発する試合でスタメン起用されるケースも多かったです。開幕投手が村上なら、スタメンマスクは坂本、でも、青柳、西勇輝、伊藤将司の中から開幕投手が決まれば、梅野がスタメンでしょう」(同)

『4番はまだ決めてない』

岡田監督は梅野と坂本の起用法も考えながら、開幕投手を決めなければならないようだ。

「糸原は特に出場機会に飢えています。このまま代打稼業に徹するのか、レギュラー再奪取を目指すのか、野球人生の懸かったシーズンになりそう。代打の原口だって、1試合スタメンで4打席に立たせたら、もっと打てますよ」(同)


やはり、こうなると大山も心配だ。というのも、4番を争うライバルの佐藤輝明が「特別なシーズン」を迎えるからだ。


「オフに大きな補強はしていません。選手個々のレベルを上げることが連覇の条件とし、ハッパを掛けました。佐藤に対し厳しい注文が多かったのは、期待の裏返しです」(ベテラン記者)


その佐藤は「ルーキーイヤーから3年連続20本塁打」を記録。これはトラ史上初で、今季は〝掛布超え〟が掛かっている。


現在、通算401試合で計68本塁打。「553試合で100号」を達成した掛布雅之氏の左打者の球団最速記録に挑む。岡田監督も何とかしてやりたいとは思っているはずで、ここに重なってくるのが、昨年末の岡田監督の「4番はまだ決めてない」発言だ。


大山ではなく、佐藤が打線の中軸となる可能性もある。「メモリアル達成は4番で」となれば、大山のプライドにも関わってくる。


いずれにしても〝FA5人衆〟の扱い方は難しい。やはり、岡田監督にとって悩み多きシーズンとなりそうだ。