昨年末に中国保健当局は、欧米で広がりを見せる新型コロナウイルスの新変異株「JN・1」が今後、国内で感染拡大する恐れがあると発表。これが原因で、わが国でも感染拡大の警戒感が強まっているという。
「JN・1は、流行したオミクロン株の派生種『BA・2』がさらに変異したウイルス。重症化するとの報告はないが、免疫を逃避する能力が高まっているようで、感染力も強いとされる。米疾病対策センターの昨年末の発表によれば、同国における新規感染者の44%がJN・1感染者とみられているのです」(国際部記者)
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また、フランスやイギリス、スウェーデンなどでも感染拡大が相次ぎ、昨年末には日本でも新規感染者の30%以上がこの新変異株に感染している可能性が報じられたほど。こうした経緯から世界保健機関(WHO)も「注目すべき変異株(VOI)」に指定し、感染状況を注視している状態なのだ。
もっとも、日々感染者が増えつつある国々の中でも、わが国は今後感染者が倍増する可能性が高いとみられている。中国での感染者数拡大と、間近に春節(旧正月)が迫っているからだ。
2月以降に感染拡大か
前出の記者が言う。
「中国では、例年2月の春節時の大型連休に帰省や旅行に出かける人が激増する。今年の春節は2月10日から17日までの8連休だが、中国交通運輸省の発表では連休前後の40日間に国内外を移動する人の数は過去最多の90億人に上るという。日本は海外旅行先としてタイや韓国に並ぶ人気国のため、2月以降のJN・1感染者数の拡大が危ぶまれているのです」
要は中国人観光客を介した感染拡大が危惧されているのだが、日本にJN・1感染者が拡大しそうな理由はこれだけではないという。
「そもそも中国は昨年1月にゼロコロナ政策を終了して以降、日ごとの感染状況の発表をやめている。また、日本では新型コロナは過去のものとなりマスクをしない人が増え、ワクチン接種率も伸びていない。そんな状況下で、中国から観光客が押し寄せたらどうなるか。想像しただけでもゾッとします」(医療関係者)
再び医療機関が逼迫する状況が起こらないことを祈るばかりだ。
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