(画像) Be Panya / shutterstock
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サーモンの陸上養殖に注目!? 日本の大手商社がこぞって参加か…

回転寿司で子供の一番好きなネタランキング1位はサーモン。その大半は養殖で占められており、日本では数年前から大手商社を始めとした企業が、全国各地でサーモンの陸上養殖事業に力を入れている。


「サケが東京湾で取れなかったため、江戸前寿司のネタには使われなかったといわれるが、サケとサーモンは別の魚。サーモンはマスで、回転寿司で流通する約7割がノルウェーやチリ産の養殖ものなのです」(フードライター)


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サーモンの世界総生産量ベースは年間約400万トン。ロシアやアラスカなどの天然漁獲高が年間約100万トンだから、残りの約300万トンが養殖となり、そのうち70%はノルウェーやチリで生産されている。


サーモンの育成には摂氏12~15度程度の低水温が必須条件だ。日本で海面養殖しようとすれば、夏場には水温が上がるリスクがある。また、餌の食べ残しや排出物で海を汚染するリスクも伴う。そのためサーモンの海面養殖は1年を通して水温が低いノルウェーやチリ、カナダ、スコットランドといった高緯度の国に限られてきたのだ。

安全性も保障されている

ただ、そこに目を付けたのが日本の大手商社だった。

「海面ではなくプラントの中でサーモンを成育する陸上養殖を模索。数年前からこのサーモン養殖を本格化させ始めた。三井物産とFRDジャパンはさいたま市、三菱商事とマルハニチロは富山県・入善町、丸紅とプロキシマーシーフード(ノルウェー)は静岡県・小山町といった具合です」(経済ジャーナリスト)


陸上養殖は円形の水槽の中でサーモンを肥育する。人工海水をろ過し循環させるのが特徴で、海面養殖と違い地理的な制約や天候に左右されることはない。


「静岡市清水区の三保半島では国内初の試みとして、地下からくみ上げた海水でのトラウトサーモンの養殖が進んでいる。食中毒を起こす寄生虫のアニサキスを持たないことから安全性も証明されています」(大手商社マン)


全国各地の陸上で養殖されたサーモンが、回転寿司を席巻する日は近い。